メイキング・オブ・チャリティモーターサイクルショー。

来る5月15日に、お台場でイベントを開催することになった。経緯としては、地震発生後、数々のバイクイベントが中止となった。やむなしというものがほとんどだが、なかには自粛も少なくない。さらには、日本グランプリまでもが中止、もしくは延期という決定を聞き、震災後4日後には自粛しない宣言をした僕としては、いてもたってもいられなくなった。そこでひらめいた。逆にしかけてやろうと、3月22日のことである。

お台場の野外特設会場を当たってみると、なんと5月15日が空いていた。ベストシーズンのグッドロケーションが空いていたのは、おそらく震災を受けてのキャンセルだと思う。事実、今回の震災によるキャンセルはやむなしということことで、4月にバイクイベントの進行&MCの仕事がキャンセルになり、担当者に聞くと今回はキャンセル料が発生しないとのことだった。普段はほぼ受け付けないそうだ。とりあえず1週間の仮押さえ期間をもらって、奔走が始まった。

まずはホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキの国内4メーカーである。ご存知だろう、バイクの世界はこの4メーカーがそのまま世界のシェアを握るトップ4なのである。ここの担当者たちに話を持ちかけた。「時節柄、派手な演出のイベントにはできないですけど、シンプルに試乗会メインのイベントをやりませんか? 業界が一丸となって復興支援のチャリティで」。 とんでもない話だが、この時点で見積もりも企画書も存在しない。しかも電話での話である。「スタッフ全員が手弁当で、お金をかけないで、運営サイドは誰も利益を享受しない。余剰金が出たらすべて東日本に送り込みましょう。つきましてはいくらになるかわからないですけど予算だけ計上しておいてください」。会場費は231万円。プラス仮設トイレや音響、試乗会のコースづくりなどシンプルにやろうとしても結構な金はかかる。それらの詰めは後日になることを告げた。いや、ホントにとんでもない話であり、子供じみた話だが、バイク業界が東日本に対して何かアクションを起こそうという情熱だけである。それと自粛嫌いの僕としては、イベントを楽しみにしていたライダーたちに少しでも楽しんでもらいたい。そしてその分だけ募金していただけるということでもある。もっといえば、バイクが売れることだって巡り巡って復興につながる。1人でも多くの人がバイクに乗るようになって、夏休みは東日本の涼しいところにツーリングにでかければ、それは節電につながる。さらにうまいもの食って遊んでお金をガンガン落としてくる。楽しみながらの復興支援じゃ。とまあ、そんな諸々の想いを込めて走りに走った。

だったらその金をそのまんま被災地に送ればいいじゃん、という意見がある。だが、それは違うのだ。4メーカーはすでに東日本にたくさんの力を送っている。このイベントはライダーたちに意識を高めてもらい、寄付金を募ろうというものであり、その意識付けにかかる金なのである。しかも、大事なことが楽しんでもらいながらというところで、そこに金がかかるのは仕方ないことである。メーカーはバイクはたくさん売ることに向けてこの場で積極的にアピールしてくれればいいのである。くどいが、それらすべてが復興へと、遠いかもしれないが繋がっていく。結果的に上記4メーカーともに、このクソミソな話をやろうということになった。こういうところがこの業界の素晴らしいところであり、僕が好きなところである。大企業であるのにときおりロジックもなにもなくなり、勢いでつっ走ることが多々ある。それはバイクの特性そのものなのかもしれない。前にしか進まない乗り物なのである。おーっ、決まったぜ。つうわけで『届けよう、ライダーの心。走りだそう、未来のために』というキャッチコピーも決まり、心をコンセプトしてアドレスもhttp://www.rider-kokoro.com/を設定した。

このイベントに関してはここにチョコチョコと書き綴っていこうと思う。そして親愛なる昭和40年男たちにお願いは、ぜひこのイベントに遊びにきてほしいということだ。そして楽しんでもらい、その分、募金にご協力ください。昔とったなんちゃらで、久しぶりにバイクに乗らないか? ボランティアスタッフでの参加もどう?

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