昭和のそば屋の心意気。

暑いっ!!  急に夏が来たもんだからまだ慣れておらず、これはキチンと食わないといかんとダイエットを休戦してそば屋に出かけた。我が社の至近の 芝商店街 (会) にある昭和のそば屋「やぶ砂」さんだ。圧倒的におっさんが占める客たちに大人気なのがカレーライスで、ド直球の昭和な一皿が気持ちいい。どっこい、そばだって完璧だ。まっ、わざわざ遠くからお越しいただく店でないかもしれないが、もしも近くに来た時には寄ってみてはいかがだろう。おばちゃんたちのキビキビした動きとともに、昭和を満喫できるはずだ。

 

さて、今日はカレーと冷やしたぬきのセットかなと思っていたところ、隣の席にとろろそばが届けられた。うん、ネバネバはスタミナにいいとか聞くし、こう暑いとつるっといくのもいいねと予定変更でとろろそばをオーダーした。満席近い周囲を見ると、やはり暑さのせいかカレーややはり人気のご飯ものより、冷たいそばをすすっているおっさんが多い。僕のが届く前に、とろろそばがもう一杯オーダーされた。この店でこの現象は初めてで、やはり急な梅雨明けがもたらした珍事と言っていいだろう。

 

この一杯が届いた。右にあるそばちょこはそば湯用だと説明された。くーっ、ここはこうした一手間が随所に見られるのが好きだ。とろろもたっぷりで、これは午後の仕事もバリバリだぜと元気をもらえた。そして仕上げはおっしゃるとおりに、ネギとつゆの入ったそば猪口で香りたっぷりのそば湯を満喫した。うーむ、大満足じゃ。

 

いつの頃からか、街中華が大ブームである。僕もハイミ〜、パッパッパなあっさり醤油ラーメンとチャーハンのセットを出す、何軒かの街中華屋はレパートリーにある。だが、昭和な街そば屋の方が利用頻度は断然高い。このつぶやきにちょくちょく登場する江戸から続く名店「布屋更科」は、やはりその伝統の重みがあり庶民的な価格ながら街そば屋とは呼び難い。江戸時代から続くのだから、昭和のそば屋とも呼べないし。だがこちらは街そば屋と称するに相応しいすべてが整っている。残念なのは呑んべえ仕様の肴がメニューにないことだ。どっこい、かつ煮や親子丼の頭、キツネのお揚げなんかはきっと対応願えるだろう。「かんだやぶそば」「上野藪そば」ら名店が連なる「藪睦会」に加盟する一つだから、きっと天抜き (天ぷらそばのそば抜き) もこしらえてくれるはずだ。ビールを2本程度でサクッと一杯呑るのが、今目先の楽しみである。
 

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