悩み抜いたタイトル ~大編集後記。


さあて、今日よりはしばらく (しつこい巳年) は最新号のPRとなる大編集後記だ。PRだけでなく、購入者にとっては制作の舞台裏である。初日の今日は特集のスタートになる、扉ページのご紹介じゃ。

 

特集タイトルは3秒で決まる時があれば、グチグチと何日も決まらないこともある。僕の場合後者の方が多く今回も散々やったが、結果すげー気に入っている。「へっ、いつも普通のこと言ってるだけじゃん」と心が突っ込んだあなた、それで正解なんです(笑)。普通のことをズバリと言い当てながら特集の特性を表現して、勢いだったりひねりだったりといったひとつまみのスパイスを入れ込むのがタイトルなのだ。今回はこれからつぶやくように悩み、リリースできた今は清々しさを感じている。

 

特集の要素が決まって、キーワードの主役は当然ながら “冒険” であり、英訳したら “ADVENTURE” である。基本的に僕はタイトルに欧文は使わない。MUSIC や SUMMER、CAR のような日本語のごとく目に飛び込んだ瞬間に意味が判別できる単語は検討に乗るが、それでも『昭和40年男』では邦文使用率が圧倒的に高い。CARでなく “クルマ” である。アルファベットを飾ってかっこよく決めたいのは人並みに思うところだが、書店棚でのコンタクトを勝負のポイントだとしている僕の本づくりにおいて、最終的に選択するのは日本語をでっかくになることばかりだ。だから今回、表紙に “ADVENTURE STORY” と大きく入れたのは、『昭和40年男』だけでなくこれまでバイクや音楽雑誌を手がけてきた僕の出版人生の中でもレアなパターンと言える。ちなみにもうすぐ12年になる『昭和40年男』の歴史で、欧文が表紙に登場したのは今回でたったの3回だ。そしてどれも同じアプローチで、あくまでデザイン的に配してあり、その邦文が同居するのである。
→2011年5月発売・vol.07  俺たちの正体 / Who are we ?
→2018年7月発売・vol.50  昭和洋楽 / Showa yogaku

 

今回もやはりビビリ~な僕で、「アドベンチャー物語」というタイトルを存在させながら、デザイン的に “ADVENTURE STORY” を配したに過ぎない。タイトルはあくまで日本語である。するってえと “冒険物語” でもいいじゃないかと、これまたツッコミポイントだ。だが僕は、冒険は “少年” と組み合わるのが俺たち世代に響くはずだと考えた。そうして完成させたのが、タイトルルビと呼んでいるキャッチコピーを、「冒険少年」を入れて書く作業に入った。

 

特集は、昨今のアウトドアブームに乗っかったわけではないという主張があった。俺たち世代こそは、冒険によって育まれてきた特別な男なんだと言いたかったのだ。そして、温故知新によって明日への元気と夢を得るのがコンセプトの『昭和40年男』だから、「今も昔もこれからも」がくっついて、うーむ、完璧なコミュニケーションである (出たーっ、自画自賛)。だがたった9文字のここでも最後の最後まで悩んだ。“今” と “昔” のどちらを前にするかだ。“昔も今もこれからも” の方が、過去から未来へと向かっていく時間の流れがキレイだ。が、今を生きている俺たちが昔へと旅立ち、明日への元気と夢に繋げようというのが『昭和40年男』である。加えて、声に出して読んでみると断然、今を先にした方がいい。てな訳で完成した。表紙も今日のビジュアルである扉ページも、しつこい巳年らしく怒涛の攻めとさせていただいた。

 

このページに書いた文に「摩訶不思議アドベンチャー」と入れ込んだのにもワケがある。お気付きの方も多かろう、『ドラゴンボール』の初代主題歌のタイトルだ。あの曲を歌った高橋洋樹さんはタメ年シンガーで、高校時代はヴォーカリスト同士、互いに切磋琢磨した仲なのだ。僕から彼への友情表現なのだが、あっちはスターだから忘れ去られているだろうなといじけていたりもする。まっ、ともかくそんないろんな想いが練り込むまれて完成したvol.68は、これまでにない仕上がりになっているからぜひ書店・コンビニでチェックしてみてくれっ。傑作だぞっ!!
 

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