【懐かしの名盤】ロッド・スチュワート『Every Picture Tells A Story』(4/6)

中2日寄り道してしまった。楽しみにしていた皆さ〜ん(笑)お待たせしました。ブログ特別不定期連載記事『懐かしの名盤ジャンジャカジャーン』の3枚目だぞー。この連載は音楽と密接に生きてきた昭和40年男にとっての名盤を、僕の独断でセレクトしていこうというもので、今回選んだのはロッド・スチュワートの『エブリィ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー(Every Picture Tells A Story)』である。中1でロッドの音楽に出会った僕は、満を期して『スーパースターはブロンドがお好き』を購入したものの、残念ながら期待はずれだった。約2年後に『パンドラの匣』でちょっと見直して、ベスト盤を購入してまた少し評価を上げたある日のことだった。

親友からの誘いは、まだ高校生になったばかりの僕には信じ難いものだった。「ロッド・スチュワートを観に行こう」。来日公演である。ライヴである。悪魔に魂を捧げる日がやってきたのだ。「うん、行こう」「じゃあ、姉ちゃんに頼んでおくよ」。当時いつも思っていた、持つべきものは兄姉である。長男の僕が洋楽のライヴに行こうなどという発想を持つには、まだまだ長い時間がかかったはずだ。だがこの親友のおかげで、いや姉ちゃんのおかげで大人の階段を軽々と登ったのである。

昭和40年男でこの昭和56年の来日公演を見た方は、少数ながらきっといるだろう。ニッカウイスキーのCMに登場していて、日本ではもっとも人気のあったころじゃないかな。取れたチケットは2階席の後ろの方で、音もコンディションも決していいわけじゃなかったが、興奮は今でもしっかりと胸に刻まれている。残念ながらセットリストは無いが『パンドラの匣(Foolish Behaviour)』のツアーで、なんと武道館にアルバムジャケットイメージのでっかい幕をかけた。その後何度か武道館でライヴを見ているが、あんなにデカイ幕で覆ったデコレートは見たことが無い。照明が落ちて大歓声があがり、大好きな曲『自由への翼』のイントロが流れ、その幕が開いてロッドが姿を現した瞬間は鳥肌ものだった。ああ、ロックのコンサートってこんなにカッコいいものなんだ。ロッドはまさにスーパースターだったが、2階席後方からはやや小さかった。

こうして始まったライヴは、初体験ということも相まって感動の嵐で、ニッカウヰスキーのCMソングになっている『今宵焦がれて』の合唱には自然と涙があふれた。1万人が合唱するとこんなことになるんだと。『アイム・セクシー』『マギー・メイ』『セイリング』など、期待した曲はほとんどやってくれ、ライヴが終了すると自分の中で何かが弾けた気がした。こんなにたくさんの人を熱狂させられるロックとはなんと素晴らしいのかと、強く強く感じた日だった。しばらく席から離れることが出来ずに、係員から出て行けと言われるまで僕は武道館に漂う余韻を楽しんでいたのだった。(続く)

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

4件のコメント

  1. 40年生まれの私も名古屋で見ましたよ~。愛知県体育館で、カーマオンにフィルのリズム隊だったような記憶が。豪華なパンフは今でも宝物!それにしてもストーンズ、ザ・バンド、クイーンと全く同じ道を歩んでました(笑。

    • おおーっ、それはませてましたね(笑)。
      ザ・バンドを聴いていたタメ年って意外と少ないですよね。シンパシー!!

    • 返信遅くなってゴメンナサイ。お元気ですか? 名古屋で見たんですかあ。タイコはカーマインアピス?

コメントは受け付けていません。