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女2人のランチタイムに玉砕された昭和40年男。

2013 年 10 月 28 日 プロデューサー コメント

昼飯は蕎麦でもすするかと外に出ると、すこしひんやりとした風が清々しく頬を撫でていく。

「どうれ、今日は久しぶりにかけでも食うか」と、馴染みの蕎麦屋ののれんをくぐった。いつもどおり込んでいるが「奥へどうぞ。相席願います」と、案内された先には30代後半くらいだろうか、女性2人がほぼ食べ終わってしゃべっていた。なんだか照れくさいが、もう食事も終わりかけているからやがて出て行くだろうと「失礼します」なんて席に着いた。思えばこのとき、なんの返事も無かったことからこの日の行く先は決まっていたのだ。

 

 

超旧型のスマホを取り出して、ニュースをチェックしていると聞こえる聞こえる、一緒に勤めている方々の悪口がひたすら続く。どうやらこの2人は、同じ会社の比較的近い部署、もしくは同じ部署に勤務しているようだ。派遣社員への蔑み方がひどいからきっと正社員として働いていて、口調からはベテランだと感じさせる。具体的に交わされていた言葉をキチンと書くと、きっと気分を悪くなさるだろうから避けるが、派遣社員への蔑みだけでなく、あの腹の出たおっさんとか、部下の女の子の1人で仕事がダメなのは、その子が経験した過去のトラウマのせいで矯正できないだとか、もう聞いていて暴力すら感じさせる言葉の数々である。目の前にカッチョいい男(!?)がいることなどまるで気にすることなく、暴言クイーンたちは1時間の昼休みをそれで埋め尽くすかの如く、次々と人の名前を挙げては刺しまくる。

「ねえ、蕎麦湯のおかわりもらっていい」と片方が言う。「時間はまだ大丈夫だね」と同意し、蕎麦湯が運ばれた。

「ああ、まだ続くのか」と覚悟しながらスマホをいじっていると、僕の蕎麦が運ばれた。山かけ蕎麦にしたのは、2人の女性の前でかけ蕎麦がちょっぴり頼みづらかった、小心者ゆえだ。
「やれやれ、せっかくのランチタイムなのにな」と、豪快にすするのをやや遠慮しながら食べ進めるあたりも、もう悲しいほどの小心者ぶりだ。だが、こっちが食べ始めたということはつまり、さっきまでこの2人の向かいに座った男はスマホに集中しているから会話を聞こえていなかったかもしれないが、今よりは丸聞こえになるということを意味する。せめて悪口オンパレードは終わるだろうと思っていたら、まったく止まることなくますますパワーアップした。もうこうなると蕎麦の味が半減以下である。さっさと片付けて、早々に店を後にしたのだった。

レジに並んでいると、さっきの2人から大きな笑い声が聞こえた。さっきまで聞かされていたひどい誹謗中傷の連続から、席を立った僕のことを笑ったかのような気がしてならない。たとえばこんな感じ。
「なに今のおっさん、ズルズルとろろすすって。なんか汚なかったよね」

「そのくせ若作りのシャツを懸命になって着て」
こんな会話がちょうどはめこめるタイムラグがあった後の大爆笑だったのである。まったくの被害妄想であることを祈るが…。

ネットの公共性がわからずに大問題に発展しているなどとの意見をよく聞くが、蕎麦屋の相席だって十分に公共スペースである。もしこの2人の会社名がわかったら、今日の会話は具体性を帯びてしまいまずい内容だったように思う。困ったことだ。まっ、新橋の焼き鳥屋で交わされている会話もさほど変わらず、上司や同僚の悪口ばかりである。これだから、先の“倍返し”に視聴率が40%も集まるのもわからなくはない。それにしても、こんなにうまくない蕎麦を経験した覚えは無い。

 

 

  1. avatar
    やっしー
    2013年 10月 28日 16:02 | #1

    お察しいたします。
    自分も気を付けねばです・・・・・。

  2. ありがとうございます。お互いに気をつけましょうね。

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    プロデューサー
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    山内
    2013年 10月 28日 16:13 | #2

    こういう話ばかりになるのが嫌で、基本的に会社の人間と呑みに行かないようにしてます。同じ呑むなら刺激を得られる社外の人間と行ったほうがよいと思うので。

  4. そうですよね。そしてやっぱり『浅草秘密基地』ですよ。

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    プロデューサー