ビートルズのライブを観た!?

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド結論からいく。夕べは最高の夜だった。『昭和40年男』が協力協力企業として名を連ねさせてもらっている『WANNA BE祭ーなりきりビートルズ!ヤァ!ヤァ!ヤァ!』に出かけてきたのだ。編集部の金子と葉月を誘い出し、でっかいネズミがいる千葉県舞浜の東京ディズニーリゾート内、舞浜アンフィシアターなる会場で落ち合った。残念ながらネズミの正体は突き止められなかったが、ビートルズのナンバーワントリビュートバンドの凄さはバッチリと目撃できた。

2部構成で行なうとのアナウンスでまず登場したのは、全国から集まったビートルズのコピーバンドたちだ。NHKのど自慢のごとく楽しそうな演奏が繰り広げられ後に登場したのが、ビートルズによって人生を変えられてしまった「被害者の会」だと名乗るBOXの面々だ。プロの演奏とはこんなにも素晴らしいのかと心地よく楽しんだ。「僕らだけオリジナルをやらせてもらって」と、彼らならではのセンスのいい曲が次々に披露され、ビートルズのカバー曲を交えての素晴らしいパフォーマンスだった。そして約15分のインターバルを挟んで、いよいよビートルズのナンバーワントリビュートバンドTHE FAB FOURの出番となった。

暗転すると天井から白い布の筒が降りてきて、内側から青い照明に照らされてワクワク感が高まる。そして登場したのがエド・サリバンのそっくりさんで、ゲラゲラ笑わせてくれた。高らかに紹介された瞬間、布が取り払われてセッティングされたTHE FAB FOURが姿を現し演奏が始まった。「えーっ、口パクかよっ」と、一瞬疑った程の演奏レベルにうれしくなった。

ビートルズライブオープニングからイッキに突っ走った後、一旦そでに引っ込むとモニターには昭和41年のビートルズ来日時の映像が流れ始めた。羽田空港からホテルへと向かい、武道館へと移動する映像の後に始まったのは、武道館公演の再現である。来日公演をよみがえらせるとはなんと素晴らしいアイデアだ。そしてまたの暗転の後は、思わず「やった」と拳を握った『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のコスチュームに着替えた面々が、タイトルチューンからアルバムを再現していく。絶対に観ることのできないはずのビートルズが目の前で舞っている。いや、そっくりさんなのだが、もうそんなのはどうでもよくなっていた。さらに暗転の後は後期の姿でジョン・レノンが1人で現れ、まさかの『イマジン』を披露してくれた。そのまま後期の曲の演奏が続き、圧巻だったのはジョージのコーナーだ。アコースティック・ギター1本で『ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス』を歌い始め、再び「やった」と聴き入っていると、すぐさま『サムシング』へと繋げた。うれしいような残念なようなメドレーである。そしてさらに『ヒア・カムズ・ザ・サン』へと繋げて、ここからはバンド演奏でフルコーラスやる素晴らしいメドレーだった。『ケット・バック』『レボリューション』などで目一杯盛り上げて、一旦そでに引っ込み、またエド・サリバンが出てきてアンコールは『ヘイ・ジュード』だ。ポールによって合唱があおられ、素晴らしいショーは幕を閉じたのだった。

信じられないかもしれないが、ビートルズを観た気がした。そっくりさんであることを感心する技を見せられるものだと思って足を運んだが、そんなレベルではなかった。ビートルズというコンテンツをフル活用した、エンターテインメントである。「どうせそっくりさんだろう」と、今回見向きもしなかった方々は、ものすごーく損をしたことになると胸を張っていえる。心の底から楽しめた。

このイベントを仕掛けたぴあの酒井さんは、2016年のビートルズ来日の50周年のメモリアルイヤーに、武道館でトリビュートライブをやりたいとの夢を語っていた。その夢に向かっていくのに値する素晴らしいショーだった。そっくりさん以上のショーであることをアピールできれば、夢は実現するのではないだろうか。少なくとも、昨日目撃した客たちは次の来日を見逃さないだろう。

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