ホーム > プロデューサーのつぶやき > バイクイベントの小さなストーリー。

バイクイベントの小さなストーリー。

2012 年 9 月 2 日 プロデューサー コメント

飛騨でのバイクイベントを終えて戻ってきた。ダブルヘッダーで、両試合に先発するかのごとくこれから9月11日発売号の最終作業を続ける。明日の午前中には編集部から手を離し、制作の連中に託す段取りだ。残された最終作業とは、とにかくチェックあるのみ。木、金曜はほとんど寝ておらず、フラフラで東京を出発し、夕べは久しぶりに5時間ほどの睡眠をキチンと取った。イベントでMCの仕事だから、集中力を得るためと、さらに今夜の貫徹に備えようとの狙いだったが、1000人以上を前にしてしゃべるのは結構なパワーが求められる。さらに今日の岐阜県飛騨はものすごくいい天気で、太陽がギンギンささった。紫外線疲は強烈で、さすがに疲労感が大きくて体が鉛になっちまったように重い。ちょっと貫徹は無理かなあ。でもね、気持ちは晴れ渡っているのだよ。

昨日もここで紹介した、本日のバイクイベントだったが、感動のシーンがあったので紹介したい。イベントでは恒例となっている表彰コーナーというのがあって、この日に誕生日を迎えた方、会場内でもっとも若いバイク乗り、そしてその逆で、会場内でもっとも年齢の高い人の三賞の表彰がある。表彰する順番は決まっておらず、思いつきで進行させている。これが今日は完璧にハマったのだ。というのも…。

まず若者からいこうと決定したのは18歳のバイク乗りで、このイベントにはいつも家族で来てくれる男の子だ。イベントを通じて、おそらく10年近くのつきあいになる家族で、はなたれ小僧の頃から知っている男の子が、今や大型バイクを乗り回して表彰を受けている。なんともうれしいことだ。ただ、この家族の父母が最近ちょっと大変で、お母さんは頭で倒れて、若干だが体に残っている。そしてお父さんの方がもらい事故が元になり、難病を引き起こしてしまい、去年までは杖をついて歩けていたのが、今年は車いすの世話になっている。残念ながら悪くなる一方に見える。

若者の次には、年配者を表彰した。なんと77才にして大型バイクに乗る先輩が、この賞をゲットした。恒例なのは「この会場の一番の先輩から、若者たちに説教を」と僕が聞く。いつもいいコメントが聞けるのだが、今日は最高の言葉だった。「ルールとマナーを守ること。そして自分に勝つことです」と。力強い言葉に会場から拍手喝采がわき起こった。そして僕は車椅子のお父さんについ目がいった。「負けないでくださいね」と。

そして誕生日の表彰になり、今日会場では2人のライダーが1つ年輪を重ねた。その1人がなんとお父さんだったのだ。さっき表彰された息子に押されてステージの前へ進んで来た。歳を聞くとなんと「47歳です」と、タメ年だったのにもビックリだ。マイクを向けると、難病で1ヵ月後に免許が失効になってしまうそうだ。それ以前に今の状況ではバイクに乗れないから、心底愛していたマシンを、今息子が乗っているとのことだった。息子が乗り回している大型バイクはお父さんのお古ということになる。「手術が必要になるかもしれないけど、また必ず免許を取り戻して、バイクに乗ります」と力強く宣言した。さらにそのときには息子からバイクを取り戻すといい、息子にマイクを向けると「返しません」と、宣言した。僕は会場の皆さんに、お父さんのバイク復帰を応援する拍手を求めた。バイク乗りだから痛いほどわかるつらいお父さんと、すばらしい親子に、あたたかい拍手が降り注いだ。そんな感動が今日の会場にあった。

往復約20時間の車移動でケツが痛いのと、体に疲労がこびり付いているが、心は今日の飛騨の空のように晴れ渡っている。〆切作業にも気合いが入るってもんよ。いくぜっ!!

 

 

  1. コメントを募集しています。