第88話 行って来ます。

 
チェックは終わった。
制作の作業台にすべてを託し出かける。
ジーンズからスーツに着替え、編集長からスーパーハイパービジネスマンに変身だ。
朝の清々しい空気と、降り注ぐ太陽の光がまぶしい。

新幹線に乗り込みクライアントが首を長くして待っている、西へと向かった。
「みんな、あとは頼んだぞ、行って来ます」
疲れは限界をはるかに通り越しているのに、気にかかって眠れない。
もっとも、寝たら絶対に乗り越すだろうけどね。

結局、すべてが終わったと連絡を受けたのは
こっちも仕事が終わった直後の夜だった。
みんな、お疲れさまでした。
俺は1人のホテルで缶ビールをかざした。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で