手貼りのポスターからきっとあふれる愛!!

 

『昭和45年女・1970年女』の制作の作業が全て終わった翌日のこと。核になった社内のスタッフ同士4人のやり取りだ。
「せっかく江口さんが描き下ろしてくれたのだからポスターを作りましょう」
「流通はどうしたらいい」
「貼りますよ。お願いに回ります」
「そうかあ、なら僕も定点観測している書店にお願いしてみよう」となり、すぐさまデザインに入った。はちゃめちゃな進行の中でこれが仕上がり、明日には手元にA2サイズで納品されるのを、つぶやき読者の皆さんに一足先にお届けしているってわけだ。

 

広告宣伝費がないのは毎度の慣れっこだ。ネットやSNSを使ってやれる限りの発信と、友人知人への拡散願いに奔走するのが創刊である。あとできることは『昭和40年男』『昭和50年男』に広告掲載するくらいで、本質のところでは強い表紙を作ってかわいい分身たちを書店の棚で奮闘させることや、手に取りたくなるようなタイトルや持ち帰りたくなる誌面展開だ。この辺は、あたり前田のクラッカーである。

 

そこにポスターを手貼りするという大作戦が加わったのだ(笑)。文化祭かよと笑うなかれ、会議でのスタッフたちは極めて真剣である。ターゲットとした層の女性が集うような場所や、僕は主に書店さんに創刊挨拶をしながらお願いしようと考えている。各自激務の中からわずかな時間を捻出してのこの大作戦は、今時の出版社ではまずやらないだろう。ふっふっふ、なんてったって昭和シリーズなんだから仕事も昭和ライクなのは仕方あるまい。ただ、すご〜く手前味噌な話だがこの渦中にいる自分を幸せに想う。大の大人どころか、昔だったら人生が終わってもいい歳のスタッフたちが、真剣にそうしようとしてくれていることがそのまま俺たちが作る本の熱なんだなと、ああ泣けてくらあ。

 

極めて少数しか印刷しないので、皆さんにお目にかかる確率は極めて低いが、もしも見かけたら絶対に写真に撮るべきだ。そして申し訳ないが、東京近郊しか回れないのもご承知いただきたい。その上で宝探しに出かけてみてはいかがだろう。あっ、これって不要不急なのかなあ(泣)。

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