『スーパーマリオ』 7,300万円落札はナゼ?

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▲高額取引の例 その3 …「ファミリーコンピュータ」(任天堂/’83) 最初期のデッドストック品/45万円

 
それにしても、7,300万円は破格

コンピューターゲームの歴史は40年弱と浅く、25年ほど前までは、中古ソフトが定価を上回ることがないというのが常識でした。特に古いゲームは二束三文だったので、集めやすかったんです。当時ゲームのコレクションをする人は、中古ゲームショップが安く売るようになってから現れたと思います。まだ人数としては少なく、あくまでもゲームで遊ぶことが目的でした。

そして、’90年代中盤頃から秋葉原あたりの一部のショップでゲームソフトをプレミア価格で売る店が出現。それでも数千円~数万円、“2万円だと高いよね~” という感じだったと記憶しています。あの頃の古いゲームのマニアってほぼ日本人しかいなかったんです。

2000年以降、いきなり、ネットオークションの登場で全国のマニアが競うようになり価格が高騰。それを見て価値があるとわかったバイヤーたちが全国のおもちゃ屋さんなどからゲームを安く買って、ネットオークションや中古ショップに流すようになりました。さらに言葉の壁があり購入しづらかった海外の方たちにとっては、インターネットの普及で、母国語対応の通販が一般的になったのが大きかったのでしょう。

2010年以降から、外国人の参入が増え始め、より高額で取引されるようになりました。ネットの発展はもとより、オークションの代行業者が増えて、外国人でも買いやすくなったという点が大きいですね。ここ年では、さらに海外富裕層の参入が顕著となり、相場が大きく崩れています。これが、この30年で価値が高騰した現象なのです。

先に述べたように、ゲームは消費され捨てられていくのが当たり前だったので、貴重なものは1年に1点くらい、そんな頻度なこともあり、欲しいという人が世界から集中するので激しく高騰したのです。一方、日本のマニアは価値と相場をすでに知っていたので、常識はずれな取引は行なわれていなかった。なので、ここ最近の現象には驚くばかりです。

 
(次ページへ続く → 日本のマニアにとってこの現象は? [4/5] )

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