『スーパーマリオ』 7,300万円落札はナゼ?

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▲高額取引の例 その2…『ファイナルファンタジー』~『III』(スクウェア/’87・’88・’90) 未開封セット/18万4,000円

 
今回の落札価格の高騰現象はナゼ?

’90年代って、コレクションのコミュニティは閉じられた空間のみだったんです。お店に足を運んで初めて、古いゲームソフトを探している人を偶然見かけて情報交換できたり、お店でプレミアソフトが売られているのを発見したり、雑誌で少しだけ紹介されていたりと、すごく狭いコミュニティだったんです。

でも、今はインターネット、SNSの発達で、世界各地に点々としていたマニアたちが情報発信をすることで結ばれるようになりました。これによリ、同じ価値感を持つ人の存在を知り、気軽にコミュニケーションを取れるようになりました。そして、オークションやフリマアプリが発展。以前は販売店まで行きスタッフさんに話を聞いたり、コレクター仲間に話を聞いたり、自分から情報を探しに行かなければ手に入らなかったのに、今では家にいながら検索やSNSで手軽に情報を手に入れられるようになりました。情報が増えてスピードも速くなり、もともとマニアではない人でも興味を持つきっかけが増えたんです。

さらに、実際に過去のゲームのプレイ動画をネットで観ることで興味が加速し、手に入れたい衝動にかられる人が飛躍的に増えているようです。しかも、日本だけでなくグローバルな現象で、過去ゲームの価値を知る人が増大。でも、そのゲームはもう生産されていない。消費され捨てられ、希少性は高まっています。

小学生の頃、ファミコンのスーパーマリオに夢中になった人々 (まさに昭和50年男世代) は今45歳前後となり、自由に使えるお金もあり、再び当時買ったゲームそのものの購入欲が高まっているという連鎖反応が起こっているように感じます。
 

価値がわかる海外ファンの存在も大きい?

ビデオゲームはアメリカで生まれて、10年くらいは祖国で発展していきました。しかし、1982年のアタリのゲーム機を中心にゲーム市場が崩壊して…。その頃、エポック社やトミー、セガや任天堂の開発者が力を発揮して、発展の舞台は日本へと移ります。これが導火線となって、日本のゲーム文化は爆発的な広がりを見せ、今ではインターネットを通じてアメリカ、ヨーロッパの人も日本のゲームに目を向けるようになりました。自国のゲームをやり尽くしているマニアな人たちからすると、自分たちとは異なる日本の文化を新鮮に感じているのが今、という流れになっているのでしょうね。
 
 
(次ページへ続く → それにしても、7,300万円は破格 [3/5] )

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