昭和62年はどんな年 〜大編集後記。

 

今日も元気に最新号のPRとなる大編集後記をつぶやかせていただく。連載の『夢、あふれていた俺たちの時代』は創刊号の表紙にも踊った言葉であり、定期刊行を決めた第2号から現在に至るまで続いている大ボリューム特集だ。毎回、あっちに行ったりこっちに来たり(!?) を繰り返しながら、昭和の一年を切り取ってお送りしている。今回はバブル絶好調の昭和62年で作り込んでいて、ご覧のページは俺たち世代にとって心に強く残る出来事フラッシュだ。このランキングに同意いただけるだろうか。

 

同世代諸氏は、キラキラした大人の遊びを満喫していたのではないか。そのキラキラバブルを象徴するのが、スキーブームのシンボルとなった第3位の『私をスキーに連れてって』で、特集の扉ページを飾っている。が、僕はま〜ったく縁がなく、いまだに観ていないし滑ったこともない(恥)。そんなトレンドには背を向けた僕は、乾物屋の紀ちゃんがジョーと演じた名シーンのセリフがピタリとはまる。「北村くんは… さみしくないの? 同じ年ごろの青年が、海に山に恋人と連れ立って青春を謳歌しているというのに、北村くんときたら、くる日もくる日も汗臭いスタジオにとじこもって、大声で叫んだり、ギターをかき鳴らしたり。たまに明るいところへ出るかと思えば、そこはまぶしいほどの照明にてらされた客のまばらなライブハウスという檻の中―。みじめだわ、悲惨だわ。青春と呼ぶにはあまりにもくらすぎるわ!」とそんな日々だった。居酒屋で毎日酔っ払いを相手にしながら、でも夢だけを見ていられたのだから幸せだったと胸を張れる。ジョーのように血だらけになったわけでもないし。

 

居酒屋で働いていたから、11位にランクしたアサヒスーパードライのブームは強く記憶に残っている。この翌年になる、ビール各社がドライビールに進出して僕の店は契約がサッポロで、今となっては信じられないことにサッポロ赤星で愛されるラガービールが、その座を奪われたのだ。世の中は猫も杓子もドライ・ドライ・ドライだった。鈴木雅さんが歌ったりCMでマイク・タイソンが起用されたりと、80年前後のスクーターブームに多くのタレントや歌手が起用され、マイケル・ジャクソンまで引っ張り出したなんてのを彷彿とさせる。

 

5位のランキングにもご注目だ。多くの同世代諸氏は読んだだろう。村上春樹さんの作品の多くにふれ、大きな影響を受けていながら『ノルウェイの森』がスルーなのは僕らしい。記事にもなっている帯のキャッチコピー「100パーセント恋愛小説!!」にはどうしても手が出なかった(笑)。枯れたおっさんとなった今なら、エネルギーチャージにいいかななんてこのページを眺めながら思っている今日だ。

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