自己流筋トレのし過ぎにご用心の巻

多すぎる体脂肪(特に内臓脂肪)が健康を損なうというのは今や常識と言ってもいいと思いますが、体脂肪のパーセンテージが一桁のいわゆるアスリート並みの方は抵抗力が低い可能性も指摘されているのをご存じですか? 筋肉ムキムキで無駄な脂肪は一切なし! と聞くとなんだか憧れてしまいますが、自己流の筋トレで極端に体脂肪を減らすことは実はとても危ないことなのだそうです。事実、アスリートでも「年に何回か風邪をひく」とか「一度風邪をひくと結構長引く」いう方が意外といらっしゃるようです。身体を鍛えているのに、風邪やインフルエンザにかかりやすいなんて…なんか不思議な気がしますが、体脂肪というのはいざという時のエネルギー源ですから、風邪をひいたりした時に食欲が落ちたりすると、その蓄えから使われていき、身体を回復させようとします。筋力はあっても、体脂肪が少なすぎてその蓄えがあまりない人が、体調をくずした時に回復が遅いと言われるのはそういう理由から起きる現象なのだと思います。

体脂肪は身体を保温してくれている

一般的に太っている人は暑がりが多いというイメージがありますが、よく冗談で「肉ぶとん着てるから寒くない」なんて言う人もいますよね? それって実はそのとおりで、身体についている脂肪は身体を保温する役割があるのです。人間は体温が下がると免疫力が落ちるというのはご存じだと思いますが、まさに体脂肪が少なすぎると、知らず知らずのうちに身体を冷やしているかもしれないという推測も成り立つのです。もちろん太りすぎで血行が悪く身体が冷えを起こしている場合もありますが、それはそもそも生活習慣病なので、改善する必要があるのは言うまでもありません。50代の男性であれば18%前後、女性であれば28%前後が理想的だとされていますが、あなたは自分の体脂肪率をきちんと把握していますか? 体重だけでなく、ぜひ体脂肪率も定期的にチェックすることをおすすめします。

自分の体力や生活に見合った運動を

体脂肪は多すぎても少なすぎてもよくありません。最近は細マッチョなんていう体型がカッコいいと言われているようですが、前述のように極端に体脂肪を減らすのはデメリットもあるようなので、自己流で筋トレに励んでいる人はぜひ専門家の指導を受けるなどして体調をくずさないように気をつけてください。もちろん極端に運動不足になって必要な筋力が低下している場合は加齢とともにロコモティブシンドロームに陥ってしまう可能性もあるので、今のうちに改善する必要があります。かくいう、編集部・まつざきも最近は片足で立って靴下を履く時によろけます(笑)。速足で階段を登ると2階ぐらい上がると足がだるくなります…これはかなりヤバいですね。健康のためには「適度な運動」と昔から言われていますが、その言葉どおりだと思います。ストイックになり過ぎず、怠惰になり過ぎない。体力に自信のない人はウォーキングなどの軽い有酸素運動から始め、体力があって激しい運動ができる人でも運動の後はちゃんとケアをして疲労した身体をその都度回復させるようにしましょう。

50代も半ばを過ぎたなら、適度な筋肉と適度な皮下脂肪が健康を維持するポイントになると思います。腹筋が割れてるボディもカッコいいですが、皮下脂肪は生命維持には必要なものですから体脂肪が10%以下にならない程度のトレーニングを目指してください。筋肉隆々、いかにも身体が丈夫そうに見える外見であっても、実は免疫力が低く風邪をひきやすかったり、治りにくいことがあるという意外な事実が潜んでいることを理解し、自分に合った運動を心がけたいものです。

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