ジョンの魂。

今日、12月8日。今年はあの日から40年の節目であり、生誕80年、ビートルズ解散から50年という年で、『昭和40年男』でも巻末特集を組んだ。昨日はSBS信越放送のラジオ番組『ミックスプラス』のゲスト出演日だったから、今日の命日に絡ませてジョンのことを語らせていただいた。特集内で民生さんの語ったことや、僕のビートルズとジョン・レノンにまつわる話を展開した。

 

40年前の当時、僕は強烈にアンチビートルズを貫いていた。ここで何度かつぶやいているが、東京荒川区の中学は荒れに荒れていて、とくに音楽の授業は崩壊状態だった。だがある日、音楽教師がテープレコーダーを持ってきてビートルズを流すとガキどもはあら不思議、静かになったとさ。その頃は洋楽にハマったばかりで、ロックなるものに強い幻想を抱いていた。そんな僕は、こんな風にガキを手なずけるのはロックじゃなーいと胸の中で激しく反抗したのだ。さらにさらに、配布されていたみんなの歌みたいな歌集に「イエスタディ」が入っているのも気に入らない。てな訳で、今考えれば大バカヤローなのだが、自分の中からビートルズを排除してしまったのだ。だが神は僕を見捨てなかった。やがてアルバム『ジョンの魂』にふれ、その1曲目の「マザー」にぶん殴られた。「すっ、すっ、すごい」と、以来ビートルズのアンチもすっかりなくなり、普通の男の子になれたのだった。と、昨日はそんな話をさせていただいた。

 

この番組でお相手してくださっているパーソナリティの山崎昭夫さんから、今朝メールが入っていた。生きていたら、そして活動次第では今頃ノーベル平和賞を取っていたかもしれないと。ウンウン、その通りだ。40歳で亡くなったジョンだから、まだまだ生きて歌っていてもおかしくない。「イマジン」に込められたスピリットは、ずっとずっと持ち続けて活動していただろうから、山崎さんのおっしゃる “たられば” に深く納得させられた。

 

今年はコロナに人類が苦しめられている。そして、世界中のトレンドが自国第一主義へと流れていく中で、トランプと習近平はそれをますます加速させながら舵取りをして、世界を最悪の方向へと引っ張っている。例えば今香港で起こっていることを、ジョンが生きていたらどれだけのパフォーマンスで世論形成してくれただろう。そんな “たられば” まで、山崎さんの言葉から考えさせられた。となると、自分の力の無さが悔しいが、小さくとも発していかなければジョンに申し訳ない。

 

『ミックスプラス』では、自分のコーナーラストに1曲セレクトさせてもらっている。迷わず「イマジン」を入れた。人類に大きな試練があった時、いつもこの曲がやさしく寄り添ってくれる。サビの頭で、あんたは僕のことをドリーマーだと言うだろうと歌っているが、本来人間はみんなみんなドリーマーのはずだ。いい夢見ながら、明日へと向かって生きたい。それは希望であったり、愛だったりにもバッチリと繋がっていく。反対方向の力ばかりが蔓延するかのような現代に、ちょっと待てよとの気持ちで今一度「イマジン」に耳を傾けようじゃないか。

 

昨日の夜は、1人の客を相手に「イマジン」と「ハッピー・クリスマス」を歌い、ジョンの意思に寄り添うことが出来た。永遠に残したい曲だ。心の真ん中にいつも置いておきたい曲だ。ありがとうジョン。

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