ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった。

久しぶりに映画を観てきた。場所は有楽町駅前にある、角川シネマ有楽町だ。230席ほどのミニシアターで雰囲気はすこぶるよく、小さいうえに客の入りも極々少なくてコロナの心配はまったくいらなかった(笑)。

 

写真の作品で、僕のつぶやきにはよく登場するものの同世代諸氏にはあまり馴染みのないザ・バンドの映画だ。ちよっと上の世代がリアルタイムになるだろうし、それもアメリカでの人気や与えた影響などを考えると日本での評価は低すぎる。映画でも語っていることで、あのエリック・クラプトンが加入を望んだほどのバンドだ。彼らのファイナルコンサートのドキュメント映画『ザ・ラスト・ワルツ』の監督を務めたマーティン・スコセッシ監督が指揮を取り作られた、あまりにも悲しい映画だった。ネタバレありなので、これからだという方はここまででさよならしたほうがいいですぜ。

 

ザ・バンドは16年にわたってメンバーチェンジなく過ごした。が、名声を得て当時の多くのロックバンドがそうだったように、酒とドラッグに溺れた。5人のメンバーのうち3人がそうで、ハマらなかったギタリストのロビー・ロバートソンの語りと当時の貴重なフィルムや写真を交えて構成されている。たくさんの涙を流すことになった『男はつらいよ おかえり寅さん』と作り方が似ていた。

 

酒とドラッグに溺れてまともな演奏ができなくなっていく。ソングライティングに関しても、1968年リリースのロック界に燦然と輝く傑作にしてデビューアルバムの『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』では、メンバー3人と親交のあったボブ・ディランがクレジットされているが、後半はギタリストのロビー1人でアルバム全ての楽曲を描くようになっていく。自分の音楽を懸命に求めて、ザ・バンドで練り上げることで高みへと登っていた彼にとって、少しずつ試練の日々になってしまった。そしてロビーは解散へと走ったのだ。

 

この映画によって知った事実が多くあり、理解度を深めることができた。『かつて僕らは兄弟だった』というタイトルから、ハンカチが必要なことはわかっていたがこれほどやられるとは。ファンにとってはものすごくありがたい映画で、そうでない方にはまるでお勧めできないと言い切れる。前述した通り“理解度を深める”という意味では最高の作品だ。これを観た後に、焼酎を飲みながら観た『ザ・ラスト・ワルツ』にまたまた涙が止まらなかった。そんな風に楽しめるので、ファンの方はぜひっ。

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