Char初登場 ~大編集後記。

 

なんでこれまで、今回の特集を組んでこなかったのだろうと不思議なほど、俺たち世代との親和性が高い記事ばかりが並ぶ。そのトップバッターがチャーさんである。10歳年上でこのルックスは、豊かでありながら大変な努力の人生を歩んできた証のように思えてくる。そしてなんてったってタバコがいい。僕自身はタバコをやめちまったダサい男ながら、愛煙家弾圧社会が大嫌いで吸っている男たちを支持するから、このメインカットをド頭に持ってこられたこともスゲーうれしい。この写真だけで780円の価値はあるなと思っているほど、惚れ惚れしているぜ。6ページで組んだ見開きごとに撮り下ろし写真を入れてあり、もっと大きくしたいカットばかりなのだが、文章が入らなくなっちまうから泣く泣く小さくしている。これらもスゲーカッコイイ必見カットだ。

 

印象的に記憶しているのは「闘牛士」で、まだ洋楽に夢中になる以前のことだった。ギターもまだ弾いていなかった僕にはそのすごさはわからず、でもいい曲だな、かっこいい人だなという印象が強く残った。初めて観たのは日テレの『NTV紅白歌のベストテン』だったような記憶がかすかにある。この後チャーさんとの再会までには少しの時間を要し、記憶としてはギターを持ったアイドルだった。

 

だがやがてきた再会は衝撃的だった。1976年にリリースされていたファーストアルバムの『Char』で、初めて聞いたのは高2のことだ。当時組んでいたバンドは、メンバー同士で気に入った音楽をレコメンドしあいながら過ごしていた。そんな中でも衝撃の部類に入った1枚だ。なんちゅうかっこいい音楽だと聞き進めていき、B面にひっくり返すと日本ロックギターの大名曲「SMOKY」をぶちかまされて、なんじゃこりやーの電気ショックを受けた。そしてこの日より、懸命にコピーして練習したっけ。

 

この想い出に、今回の企画が意図した “俺たち具合” が如実に出る。アルバム「Char」も、日本のロック元年と言い切ることができるほどの傑作だ。だが、小5の僕がこのアルバムを聴いたところでロックを感じただろうか。無理だ。触覚の高い、そう感じるガキはいたかもしれないが、我々世代のほとんどがリアルタイムではちんぷんかんぷんだろう。そもそも、1976年のロックシーンは積極的に取りに行かなければ触れられなかった。そう、やはりテレビからロックが流れてきた1978年はすごい。そして記事では、それだけすげーロックアルバムを作った後に、阿久 悠さんの歌詞で打って出た自身のことを語ってくれている。この切り口で偉大なるチャーさんに話を聞くのは、『昭和40年男』くらいだろう。必見とはこういう記事をいうのだ。ありがとうございました。

 

さてこれよりは付録です。『昭和40年男』はコーラスグループの「フォレスタ」をプロデュースしていく。その第1弾動画にぜひお付き合いいただきたい。曲は「宇宙戦艦ヤマト」だ。

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