時刻表で旅に出る!?

今月より僕の仕事も日常が戻ってきそうないい流れになって来た。いよいよイベントも稼働するし、出張もほとんどの会社が受け入れてくれる。ならばGO TOを利用しようと旅行代理店に行くと、3日先まで予約でいっぱいだと断られてしまった。ウンウン、みんなGO TOトラベルしちゃうんだね。ネットでサクサク取りたいのだが、出張だと宿泊地が1ヶ所でない複雑なのに対応しているのがどうにも見つからず、結局ちょいと先になるものの代理店に予約を入れた。さてさて、どうなることやら。

 

で、トラベルといえば最も安上がりなのが、時刻表を使っての空想トラベルである。最寄駅を出発して、鈍行で例えば鹿児島までの旅に出る。駅名からその地の歴史を考察する楽しさや、知ってる駅に関しては絵を浮かべて途中下車したりとなかなか楽しい。おそらくうなずいている同世代諸氏が多いだろう。これはなんとなくだが、女子の遊びでなくオタクな男子の楽しみのように思える。ガキの頃はこれでずいぶんと旅に出たものだ。

 

その後、成長した僕はバイクに乗るようになって、その楽しみはツーリングになった。が、時間も無けりゃ金も無いときたもんだ。ごくたま〜にリアルを楽しむ以外では、ツーリングライダーの必需品である『ツーリングマップル』で空想ツーリングに出かける。これもまた楽しい。『ツーリングマップル』は道の景観や名物、温泉なんかも詳しく掲載されているから、時刻表とはまた違った楽しみ方ができる。こうして庶民は空想でちょくちょく出かけ、どうしても我慢できなくなるとアクセルを開けるのである。

 

こうした現代社会が忘れてかけてしまったアナログな遊びを、この中刷り広告はどうだーっと提案している。久しぶりに時刻表を買いたくなったのは、きっと50代以上なのではなかろうか。ネットで検索すれば目的地までの時間は1発だ。が、誌面を広げてなぞりながら途中下車を企てるような、そんな楽しみがあるのがアナログワールドである。『ツーリングマップル』然り、デジタルネイティブの若者たちに言わせれば「終わってる」かも知れないが、俺たち世代はそうやって無駄のように思える中にある楽しみをどっちゃり知っているんだぜと胸を張りたい。この中刷り広告の制作者は、僕が感じている意地をお持ちなんだろうなと、やはり空想を広げながらシンパシーを楽しんだのだった。

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