【懐かしの名盤】RCサクセション『BLUE』(1/6)

お待たせしました。ブログ特別不定期連載記事『懐かしの名盤ジャンジャカジャーン』だぞー。この連載は音楽と密接に生きてきた昭和40年男にとっての名盤を、僕の独断でセレクトしていこうというものだ。過去3枚は洋楽のエース級ばかりを投入してきたから、4枚目は邦楽を出すことにした。するってぇと、RCサクセションにキマリで、悩みに悩んで選んだ1枚は『BLUE』だ。

RCサクセションが最も輝いた時代は、昭和40年男にとってハイティーンのころに重なる。大きな影響を受けたという方も多いことだろう。あの独特の声には好き嫌いがあるだろうが、慣れればおいしいくさやの干物(慣れるかどうか僕にはわからんが)同様、聴き込めば聴き込むほど、必然と思えてくる不思議な声だ。ミックジャガーもくさやの干物系だと思うが、くさや具合としては清志郎の方が上だろう(笑)。同級生に勧めると完全に2派に別れ、どちらかというと嫌いという意見が多かった。僕自身も初めてRCを見たときは、嫌いとまではいかないものの、何じゃこれはという印象を持った。記憶が若干曖昧だが、サウンドクリエーションなる番組だったと思う。あのころのテレビ東京は、アングラミュージシャンを取り上げる番組を積極的に展開していた。ステレオ音楽館とか。僕が見たRCの映像は、薄暗い照明の多分スタジオライブの形式だったのではないかな。『ブンブンブン』と『雨上がりの夜空に』を聴いた気がする。ルックスも含めて毒々しさと危うさが画面の中に充満していて、とにかく強烈な印象を残した。そしてもうひとつ記憶したのは、やたらと歌詞にはいってくる“BABY”である(笑)。

中1から始まった僕の音楽ライフは、音楽雑誌『ミュージックライフ』と、ラジオ番組『ダイヤトーンポップスベストテン』が情報源のほとんどを占めていたから、RCサクセションについてはまったく知るよしもなかった。もっとも、中学時代はまだブレイク前の、知る人ぞ知るマイナーな存在。高校に入ると、同級生に音楽好きが多かったこともあって劇的に情報源が広がり、情報交換とレコードの貸し借りによって様々な音楽と出会っていった。中学から続けていたバンドメンバーも同様に、それぞれの高校で音楽的カルチャーショックを受け、それを持ち寄りハードロックバンドだった僕たちの音楽に大きな変化をもたらしていく。やがてバンドの音から“ハード”が急速に抜けていく、その要因のひとつにもなったのが、RCサクセションだったのである。つづく。

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