ウッドストックの熱に学ぶ!!

久しぶりにライブドキュメンタリー映画の『ウッドストック』を観た。これまでなんども観てきた映画ながら、警察官による黒人殺害や北朝鮮問題に立ち向かい続けた横田滋さんの熱い行動を振り返る映像が多く流れているからだろう、より強くこのフィルムが持つメッセージを受け取った。人間とは愚かなものだ。だが、そこに立ち向かう強い意志と、隣人を愛する心が奇跡を起こす。それを強く感じさせてくれる素晴らしい1本だ。

 

同世代諸氏は触れていない方が多いだろうから、簡単にご説明させていただく。1969年の8月15日から17日の、週末3日間に渡って開催されたロックフェスで、様々なアクシデントがありトリのジミ・ヘンドリックスがステージに立ったのは月曜日に日付が変わって随分経ってからだった。40万人とも50万人とも言われた観客なのだが、そこまで残ったのは3万人弱だったと言われる。それでもこの演奏こそがロックであり、平和の祭典であり、若者たちの代弁だった。黒人で元軍人のヘンドリックスはアメリカ国家を世界へと鳴り響かせた。彼の想いとそれを受け止めた若者たちの想いが交錯した、未来永劫絶対に色褪せることのないロックの名シーンである。

 

なんども繰り返し観た映画ながら、監督助手にこれまた大好きなロックムービーを取り続けているマーティン・スコセッシの名前を今回初めて見つけて、40年近く知らなかったことを今さら知って喜んでいる。あの名作を作り込んだ監督の傍にいたからこそ、これまた大好きな『ラストワルツ』という傑作を生み出したのだし、よくよく考えれば似たアプローチが随所にある。そこもひっくるめて鈍感な僕にやれやれだぜ。

 

そうそうたる出演者たちであることと、強く魂が込められているプレイはそれぞれが神がかっている。何かが乗り移ったかのようなパフォーマンスを次々に繰り広げられるのは、何度観ても震えが止まらない。そして演者だけでなく、観客のエネルギーもまた凄まじい。愛と平和への強い想いが、マグマのように熱く吹き出ている。1969年の若者たちだから、こちらでいうところの団塊世代だ。日本だけでなく、世界中で若者たちが強い意志を社会へと投げ込んでいたのだ。何事にも諦めず、叫ぶ社会でありたいと強く感じさせられた特上の時間を過ごせたのさ。

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