「わさお」を憶えていますか?

今から12年ほど前、旅行記ブロガーでエッセイストのメレ山メレ子さんのブログで紹介され話題となり、後に薬師丸ひろ子主演で映画にもなった「わさお」をご存じですか? もともと迷い犬だったところを青森県西津軽郡鰺ヶ沢町で焼きイカ店を営んでいた菊谷節子さんに保護された秋田犬です。ネットで話題になっていることがテレビでも紹介されて、一躍超有名犬になった「わさお」は、ちょっとブサイクなところがかわいい「ブサかわ」なんて言われていました。一時はわさお会いたさに観光客が押し寄せるほどの大人気で、飼い主の菊谷さんが、あまり他の人には懐かない(迷い犬なので警戒心が強い)ので、会いにきてくれるのはうれしいけど…と戸惑いを見せるほどのフィーバーぶりでした。写真集が発売されたり、同町の特別観光大使に任命されたりと、本人(犬?)の意志とは関係なく、わさお人気は上昇する一方だったのです。

わさお Photo_Bouldernavigator(2010年9月撮影)

わさおは今も人気者!

そんなわさおも、いつしか全国的には少しずつ忘れ去られる存在となりつつありましたが、青森ではずっとアイドル的な存在で、地元紙・東奥日報のWeb東奥「わさお通信・今日のしっぽ」というブログで日々の様子が紹介されています。観光土産店では今もキーホルダーやぬいぐるみ、お菓子などのわさおグッズが販売されているほどで、地方経済の活性化にも貢献しているのです! 2017年に飼い主の菊谷さんが亡くなった際にニュースとなり、菊谷さんが入院中は、心配のあまり毛が抜けてしまったことも伝えられました。当時は、大好きな菊谷さんが亡くなったことで元気のないわさおを心配する声も多かったようです。

2014年11月撮影:わさおプロジェクト提供(3月31日河北新報ONLINE NEWSより引用)
 

そして今年3月には、宮城県仙台市に本社をおく、東北の河北新報社が発行する河北新報ONLINE NEWSで、志村さんを偲ぶ記事が掲載されました。志村さんの人気番組のひとつ『天才!志村どうぶつ園』では長年にわたり、わさおと飼い主の菊谷さん(写真右)の取材を続けていたそうです。誰にも懐くことのなかったわさおが、菊谷さんと心を通わせるようになったいきさつから、菊谷さんが亡くなった後の様子も紹介するなど、志村さんとわさおはとても深い関わりがあったのです。そんなことがあってか、最近のわさおは急に足腰が衰えるなど、前述の「わさお通信」でも、やや元気のない様子が伝えられています。あまり心配をおかけしたくないという思いもあるけど、新型コロナウイルスの影響で大変な時だからこそ、わさおのがんばっている姿も見てほしいという菊谷さんご家族の思いがつづられています。

まだまだ元気に長生きしてね!

1年前には、わさおの「お嫁さん」である「つばき」が7歳というまだ若い年齢で突然亡くなるという悲しい出来事もあったそうです。迷い犬から、菊谷さんとの出会い、そして志村さんとの出会い、お嫁さんがきて、そしてたくさんの別れも経験したわさお。推定2007年の生まれの13歳、人間なら70歳を超えたくらいの年齢でしょうか。老いは誰にも確実にやってきますが、わさおにはまだまだがんばって長生きしてほしいです。全国から激励の声が届けられているというニュースに、わさおが今もたくさんの人に愛されていることをあらためて知って、なんだかほっこりとうれしい気持ちになった青森生まれの編集部まつざきでした。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

1件のコメント

  1. 昨年12月、わさおに会いに行きました。
    ニュースで様子を知りましたが元気でいてほしいですね。

コメントは受け付けていません。