火事場のくそ力。

いやー、激しい1日だったよ。後ろ髪を叩き切って、朝4時半に出発して目指したイベント会場は埼玉スタジアムだ。できればもう少し原稿と戯れていたい。出来上がったページ全体を俯瞰で見て、小変更を加えたり、ときには企画の順番を入れ替えたりする。最後まで煮詰まったページを見て、微妙に変化したリズムを感じて本づくりを見直せるのは、僕としては至福の作業といっていいだろう。だが、タイムアウトだった。もちろん今日のイベントは前々からわかっていたことであるから、泣き言は御法度でござる。

ここのところあまり寝られていないのは当然のことで、この3日間に限っていえば5時間の睡眠さえ取れていないうえ、今日は一睡もしていない。まあ、こんなのは詰めの時期はどうってことない。職業柄なれている。問題は…、そのまま夏の野外イベントへと流れていくことだ。もしも倒れちまったら、楽しいイベントでのことでシャレにならない。ましてや僕は全体の進行をつかさどるMC担当であるのだ。気合いを入れて、おにぎり3個とサンドウィッチを朝の5時過ぎにほおばり臨戦態勢になると、人間というのはすごいものでスイッチが入った。もう、さっきまでの〆切モードで苦しんでいた僕は、お客さんによろこんでもらう自分へと変身していた。眠気や疲れなどまったくなく、脳全体をどんよりと包んでいたような気がする疲労はすっかり取れたかのごとく、動きもよい。若干のめまいは仕方あるまい。ようし、いくぜっと頑張ったつもりだ。

今日大変だったのは催し物が多くて、しゃべっている時間が多かったことだ。それでもまったく集中力を欠くことなく、最後の挨拶までキチンと締められたと思う。その後の担当業務などもほぼ終了してお弁当をいただいた後、ありゃりゃ不思議ですな、立てましぇーん。今日のイベントの緊張感と、蓄積した疲れが全身を包みこんだ。でもね、やり遂げた爽やかな疲労感であるのだ。

こんな火事場のくそ力を、自分の意志でコントロールできたら凄いことになるな。これはそのまま、偉大な仕事をする人間かそうでないかの別れ道でもあるような気がする。そういう発見ができたのは、凡人の僕は今日ひとつ成長できたのむかもしれない。偶然が生んだ副産物ながら、大きな経験ができた1日になったね。さあ、うまいビールを呑むかっ!! かんぱーい。

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