春なのに。

一昨日の風は春一番だったのですな。さあ、いよいよ春本番直前といった今日なのだが、軽やかな気持ちになれないのは明日からのこの国の動きが気になって仕方ないからだ。どこまで自粛ムードが広がるのか、おそらく明日からの2〜3日が勝負だろう。

 

どうしても2011年を思い出してしまう。あの時も僕は自粛に突っ張らかって、様々なイベントに打って出た。昭和40年男では『東日本大震災・復興義援金集めだョ! 全員集合』と題して読者ミーティングを行った。もともと予定されていたものを中止せずに、タイトルを変更しての開催だった。いっちょ、俺たちの心意気を届けようと会場に募金箱を設置して、飲み物の売り上げから一杯100円の値上げ徴収した。飲めば飲むほどたくさんの義援金になる仕組みだ。結果9万円以上の現金を被災地に送ることができて、俺たち自身も暗黒ムードを吹っ飛ばすガハハで過ごすことができた。震災の翌月3日が開催日だったから、花見さえも自粛みたいなバッカヤローな空気が漂っていた頃だ。

 

さらにバイク業界でも1発かました。閃いたのは3月22日のことだった。イベントが次々に中止になるのを逆手に取り、お台場の一等地がキャンセルされたのでないかと問い合わせると、5月15日という願っても無い日がポッカリと空いていた。よっしゃーと仮予約して、前払いの会場費231万円を払い、後戻りできないように自分を追い込んだ。でっかい敷地で試乗会イベント『チャリティモーターサイクルショー』を開催したのだ。約4,000人のライダーたちに来場いただき、結果的に170万円を超える義援金を赤十字に送ることができた。

 

この仕事は自分の仕事史に燦然と輝いている。突貫工事のごとく協力者達を募り突っ走った1ヶ月半だったが、これは当然ながら1銭の儲けも出してはならぬ。それに対する社内からの批判が痛かったが、キャシャーンがやらねば誰がやるのスピリットで押し通したのだった。いろんな場面で、ひどく傷つきながらも突っ走ったあの日のような日々が、再来しないことを祈りながら明日を待つ。

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