昭和なチャーハン!!

ガキの頃、外食はビッグイベントだった。俺たちの時代にファミレスなんかなく、外食といえばチープな中華店が多かったが、それでも贅沢な気分をめいっぱい味わった。灰皿の星占いをねだったりしながら待つ時間のワクワクったら、本当に安上がりなガキだ。僕ら兄弟は広東麺や味噌ラーメンで、お袋の好物はあんかけ焼きそばだった。当時はやわらかい焼きそばと呼ぶ店が多かったなあ。お袋の機嫌がいいと硬い焼きそば(揚げた麺にあんかけ)で酒を呑む親父で、酢をたっぷりかけて肴にしていた。酒無しだとよくチャーハンを頼んでいた。グリーンピースがパシッとキマった昭和スタイルだ。親父は食が細いから少し残ってしまい、飢えた僕ら兄弟に配給される。グリコのおまけのような気分を味わえて大満足した。ハイミー、パッパッパは昭和の象徴的な味だな。

 

浜松町で昭和な味噌ラーメンを食わせる店がある。舞台となるのがこれまた昭和のビッグスター、貿易センタービルの地下食堂街にある札幌本舗だ。最近のビルの食堂街は大投資系の店やチェーン店ばかりでおもしろく無いが、貿易センタービルは昭和な店がいくつか残っている。ビルの取り壊しが決まっているから、今のうちに一度は出かけて食堂街を満喫してはいかがだろう。

 

さて先日、なぜか無性にチャーハンが食いたくなった。となると、僕が知っている限り浜松町で最も昭和なのはここ札幌本舗である。ご覧の通り、必須のグリーンピースも乗っていて見るからに昭和だ。スープもいい感じで、まずは一口いただく。「しょっぱっ」と喜ぶ。そう、ここは味噌ラーメンも「しょっぱっ」なのだが、これがまた昭和でいい。そしてチャーシューがゴロゴロしているチャーハンを一口いただくと、またも「しょっぱっ」だ。うーん、うまい。

 

ゆっくりといただいていると、冒頭のタイムスリップとなる。そんな風に原風景が残っているのは、世の中全体がまだまだ貧しくて、それでも明日へと向かって変わっていけるんだと夢にあふれていたからだろう。昨日と違う喜びにあふれていた昭和を、令和にも感じられるように俺たち大人は奮闘せにゃーいかん。小さな努力だって集めれば大きくなるのは、あたり前田のクラッカーだ。な〜んて、ガランとした日曜日のオフィスで拳を固めていたりする。

 

さて、最後にご案内。本日、『第9回福岡博多秘密基地』の最終エントリー日だぞー。まだモジモジしているあなた。もういい加減に度胸を決めちゃいなさい!!

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