第56話 銀座の打ち合わせ。(2)

 
この男とは料理に対する姿勢がシンクロする。
これまでずいぶんと料理談義に花を咲かしたものである。
この打合せと称した場もトマトソースと出汁の話で盛り上がり、
やがて仕事の打ち合わせからいつもの料理談義になった。
そうなるとガンガン呑みが進んでいき、
2人の酔っぱらいがほらでき上がり。

「取材が終わったらさ、作った料理で呑もうぜ。
それと今日の呑み代がギャラだな」
「いいっすよ、当たり前じゃないですか。
北村さんの創刊なんすから」
ありがとう。
持つべきものは、プロフェッショナルな友だな。

27時を過ぎた。
翌日は2人とも早い時間から仕事であるが、
んなことを言いっこなしな2人だとはいえ、
この時間に呑んでいるのはいかがなものかと…。
まっ、ここのところ呑んでいないのだから止まらないのも仕方ない。
結局、朝4時に会社に戻り、2時間の仮眠で出発となったよ、トホホ。
 

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