【懐かしの名盤】ロッド・スチュワート『Every Picture Tells A Story』(2/6)

ブログ特別不定期連載記事『懐かしの名盤ジャンジャカジャーン』の3枚目をお送りしている。この連載は音楽と密接に生きてきた昭和40年男にとっての名盤を、僕の独断でセレクトしていこうというもので、今回選んだのはロッド・スチュワートの『エブリィ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー(Every Picture Tells A Story)』だ。ロッドと出会い、このアルバムをベストだと認識するまでには、長い長〜い年月を費やしたのである。

昭和40年男にとって、ロッド・スチュワートとの出会いが『アイム・セクシー』だという方は多いだろう。僕はシリア・ポールさんのナビゲートによる土曜の午後のお楽しみ番組、『ダイヤトーン・ポップス・ベストテン』で初めて聴き、ミュージックライフでなんてカッチョいいんだろとしびれた。ルックスはクイーンなんかより全然上をいっていた。たまたまテレビでライヴ映像を見た記憶があり、当時では貴重だったロックミュージシャンの動く姿を見ることが出来た。文句無くカッチョよく僕はすべてを受け入れた(笑)。派手な衣装をまとってケツを振り振り飛び跳ねる。なんてったって金髪である。そんでもって「俺をセクシーだって感じるなら、おいでよシュガー」なんて、沢田研二が井の中の蛙だと思えたほどだった。偉大なジュリーを一瞬だとはいえそんな風にとらえてしまうあたりが、若さとはなんともカワイイものですね。

ロッドの魅力にノックアウトされた少年はアルバムを買うことを決心し、『ミュージック・ライフ』の広告を何度も眺めた後、三ノ輪にある生まれて初めて自分の金でレコードを買った三井楽器へとふたたび走った。いざ買うとなるとまたまた迷うものである。ロッドと決めていたはずなのに、結局多くのアルバムを並べて眺めるままに時間が過ぎていった。最終的にやはりロッドに絞り込み『スーパースターはブロンドがお好き』と一作前の『明日へのキックオフ』の2枚を並べた。そもそも『アイム・セクシー』をキチンとレコードで手に入れることが目的だったが、実物大で見た『明日へのキックオフ』がやけにカッチョいい。帯にあるコピーもその気にさせるし、曲名もなんともそそるものが多かった。ため息をつきながらも初志貫徹し、『スーパースターはブロンドがお好き』を購入したが、このアルバムによって僕のロック感は変化することになるのだった。(続く)

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