表紙で振り返る令和元年 〜その参。

キュンキュンと小気味いい音でインベーダーを撃ち続けた俺たちだ。僕の体験では、スペースインベーダー前夜に突如駄菓子屋に現れたブロック崩しに、友人たちと一緒に燃えに燃えた。こんなに楽しい世界があるんだとデジタル革命を肌で感じたわけだが、さらに俺たちを虜にして小遣いをむしり取ったのがスペースインベーダーだった。

 

中学1年生の時にゲームセンターへと足を踏み入れ、1回100円という高額なゲームに興じた。人が群がっていることがあったのは、スーパープレイヤーのテクニックによるものだ。名古屋撃ちは今でこそそう呼ぶが、荒川区ではそんな名称はなかったように思う。UFOで3,000点をゲットするなんて裏技や、2列やっつけて両サイドを5段ずつ残して最後は潜って撃ち抜く、名古屋撃ちを進化させた驚愕のプレイに興奮した。トライするも、僕の財政ではそれらを習得するには至らなかった。

 

と、俺たちがデジタルを意識させられた象徴的なゲームが、スペースインベーダーだった。だから表紙にな持ってきたわけだが、この企画実はそれまでずーっと温めてきた。ついに作業に入った我々で、ありとあらゆるジャンルからデジタル的なモノ・コトを集めた大特集だった。ポール・マッカートニーでさえデジタルサウンドに手を染めたこと、ソニーからデジタル技術を駆使したLPレコードのマスターサウンドシリーズがリリースされていたことなど、今更ながらへーってな感じで眺めた諸氏も多かろう。

 

俺たちの原風景では、どちらかといえばアナログ的なものが強いだろう。そこからグラデーションのようにデジタル的なエッセンスが注入されていき、どんどん侵食されていった。そんな超過渡期を10代の時に目の当たりにしながら取り入れていった。が、いまだにアナログが大好きなのは幼児から続いたネイティブ体験からだ。双方それぞれ愛せるのだから、幸せですなあ。

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