昭和な食堂を探せ 〜九州博多編。

 

最新号の発売に伴って大編集後記ばかりつぶやいていた。その間もいろんな出来事があり、ガハハな日々を過ごしていた僕だ。久しぶりの博多出張があり名店を訪ねてきた。ご覧のとおりの渋い店でよく使わせてもらっていて、観光客や外人さんはまずいないからのんびりできる隠れた名店だ。昭和の空気を満喫できるから、『昭和40年男』読者の皆さんにそっと教えちゃおう。

 

活気ある中洲川端商店街をお櫛田さま方向にずんずん行き、左が神社への小道のところを右に向くとこの店が見える。ビールは銘柄を選べるから、黙ってサッポロビールだ。そして当然餃子300円を頼む。小松の親分さん(小松政夫さん)が愛する店らしく、サインと写真を眺めながら想いを馳せる。「親分の笑いが大好きです。おかげで一時はコメディアンを目指しました」な〜んて、1人でグラスのビールをグビグビと呑るのはまさしく至福だ。

 

つまみも豊富でじっくり呑る手もありそうだが、僕はこの店で長っ尻はしない。餃子を平らげたらソース焼きそばをオーダーしてささっと店を出るのが僕流だ。まさしくソース焼きそば。うまい。甘ったるくないソース味で、ちゃんぽん自慢の店らしく野菜が多い。後半は野菜の旨味が滲み出たソースによーく絡めて食う。これは食事ではない。肴だ。

 

博多にはたくさんのうまいものがある。が、そんな一級品に背を向けてここに入る僕と小松の親分さんはなんて粋人なのだろう(笑)。じゃあそんだけうまいのかと問われれば、別に大したことはないと答えてしまうだろう。だが、昭和の空気感と働くおっちゃん、おばちゃんの笑顔が何よりのご馳走で、やはり足を運んでしまう。この日も中洲川端商店街にあるうまそうな店の数々の誘惑を受けながらも、お櫛田さま参りを終えてここに入った僕だ。グルメとは縁遠い店ながら、僕のようなアホな至福を求めるおっさん諸氏はぜひっ!!

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