シーナ&ロケッツの夜。

2012年の暮れにシーナ&ロケッツのギタリスト、鮎川誠さんのインタビュー取材ができた。僕が大好きな連載企画の『ガツンと一言。兄貴の説教』に登場いただくことになり、ご自宅近くのスタジオを借りてインタビューは2時間を超えていた。それでも鮎川さんはまだまだ付き合っていただける様子で、感動しながら夢のような時間を過ごしていた。するとなんと、シーナさんが愛犬を連れて現場に姿を見せたのだ。チャボ&キヨシローと並び、僕にとって日本のサイコーなコンビが目の前で揃った。ここで僕は図々しくも、歌をずっと続けていることを話し、こともあろうか『ピンナップ・ベイビー・ブルース』は弾き語りのレパートリーであることを告った。するとシーナさんは「ライバルじゃん」と返してくれ、生きててよかったと喜んだ僕だった。

 

時は流れて2015年、ご周知のとおりシーナさんは旅立った。それはあまりにも早く、悲しい出来事だった。取材現場で聞き、涙を流しながらシーナさんと関係の深い友人に電話したっけ。

 

昨日も初参加の方がいた。最前列の男性、本間さんで高いハードルを飛んで輪の中に飛び込んでくれた

さらに時が流れて昨日。場所は毎週月曜日のバカ騒ぎ『浅草秘密基地』だ。最近は、このサイトにも書いたように僕はジャイアンに変身して下手くそな歌を披露するコーナーを設けている。3曲のセットを9時過ぎと10時過ぎの2回ぶちかます。昨日はちょっとした事情で1回だけになってしまったが、元気にジャイアンになれた。

 

3曲の中にカバー曲を1曲入れようと、その日のメニューをなんとなく考える。2曲のオリジナルは場の雰囲気でチョイスする。昨日のカバーは、9月に入っても夏を諦めないという気合を見せるため『アンダー・ザ・ボードウォーク(渚のボードウォーク)』と、みんな小麦色になって秋を迎えに行くと歌われる、僕にとっては寂しい歌詞の『ピンナップ・ベイビー・ブルース』に決めていた。ちょっとした事情で2回の演奏ができず、1回になってしまったがこの2曲はすでに歌うスイッチが入っていたから両方歌った。きっと皆さん、まだ夏をあきらめない気持ちと初秋の寂しい気持ちの双方を満喫できたはずだ(笑)。

 

『ピンナップ・ベイビー・ブルース』を歌うたびに、当時の国内シーンの創意工夫っぷりに感心させられる。この曲は作詞がコピーライターの糸井重里さんなのだ。ゴリゴリのR&Bバンドでありながら、こうしたセンスを取り入れる器量がシナロケにあった。そもそもYMOの面々と組んだことも、シナロケの常に前を向く姿勢なんだと思う。貪欲に取り入れなくては前へと進めないのだと、歌うたびに改めて気を引き締めてくれる曲だ。加えてシーナさんとの時間を思い出し、そしてチッョピリ秋を迎えた夜だったのさ。

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