石川さゆりコンサートに泣きまくった昭和40年男。

やったー、憧れのさゆりさんと2ショットだー

何かとお世話になっているテイチクさんより、光栄なことに石川さゆりさんのコンサートに招待いただき、会場となった『ティアラこうとう』に出かけてきた。涙ナミダの僕だった。

 

声をかけてくださった彼とは、呑み交わすたびにさゆりさんの話を出す。きっとまたかよと思われているだろうが、大晦日紅白のさゆりさんにいつも涙を流していると、所属レーベルに感謝の気持ちを伝えるのである。大げさなようだが、1年間の自分のがんばりが報われる気分を、さゆりさんによって味わえるのだ。それは、歌がこれほどまで高みに行けるのかと、なんだか昨日ここでつぶやいた北斎の話みたいだが、その極みまでいった人間の尊さを感じられるからだ。どんな仕事においても、完璧など絶対にあり得ない。が、そこに近づける努力を怠らない人間こそが限りなく近づき、その姿は美しさをまとう。怠ってばかりいる僕だから、余計に美しく映り大晦日の僕の涙を誘うのだな。

 

昨日のコンサートはオープニングから涙した。大晦日のさゆりさんが目の前にいると思った瞬間、いきなりの不覚だ。それがやっと落ち着いたところで『津軽海峡冬景色』を最初のMC後に繰り出され、さっきまでよりひどい涙でせっかくのさゆりさんが見えない。大晦日に何度も泣かされてきたその曲が、今目の前で再現されている。こんな至福があるのかと思えば思うほど、美しいさゆりさんが見えなくなる、ヤレヤレ。

 

表情豊かな声とか変幻自在の歌唱とか言葉にするとチープだけど、とにかく1つひとつの音を心で掴みにいかなければもったいないぞと思わされる。彼女の小さな体の中にある力が、なんのむだもなく全てが声へと変換されていく。昔、山本譲二さんがサブちゃんの歌を絹のようだと表現したのを聞いたことがある。さゆりさんもまたとびっきりのシルクで、力強くも滑らかに僕を包み込み続けくれた。

 

ストーンズにおける『ジャンピン・ジャック・フラッシュ』が『津軽海峡冬景色』なら『サティスファクション』は『天城越え』である。当然ながらとびっきりのところでぶちかまされてまた涙ナミダだ。紅白でいつも見せていただいた美しい立ち姿もそのままに、もうそんなにいじめんなよと言いたいほど泣かされてしまった。

 

さて、個人的にうれしかったことが2点ある。最近仕事をご一緒させていただている杉 真理さん作曲の『ウイスキーが、お好きでしょ』をやってくれたことで、これまた生で聴くこの曲の滑らかなこと。サビのたんびに「好きです」と心が答えていた(笑)。もう1つは、自分で作った曲と同じ場所を舞台にした同名の『夕焼けだんだん』をやってくれたことだ。曲が出来上がったときに、同名の曲が存在するかなと探したところ、まさかのさゆりさんで見つかったのに歓喜した。そしてさらに、コンサートの常連曲でないそうなのに、僕がいる会場でこの曲を披露してくれた。これは“持ってるな”と、また勝手にあがってしまったバカ親父である。

 

このツアーは始まったばかりだから、同世代諸氏は出かけてみてはいかがだろう。演歌とかそんな小さいとらえ方をしているのは、絶対に損だぞと言い切っておこう。

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