冷やしたぬきを愛するおっさん。

ゴールデンウイーク前後になると“冷やし始めました”との張り紙を、あちこちのそば屋で見かける。居酒屋における“鍋始めました”と並び、季節を告げる嬉しい言葉だ。このつぶやきにちょくちょく登場する江戸時代より続く布屋更科にも、冷やしの季節がやってきたのだ。そばを食うつもりではなかったのだが、張り出された冷やしたぬきの文字につられてついつい入ってしまった。

 

揚げ玉とそば汁ってなんでこんなに合うんでしょう。温かいのも冷たいのも、僕はしょっちゅうたぬきに世話になる。布屋更科では、温かいたぬきときつねはメニューに記載されていない。昔聞いた話で、人を化かすようなメニューを老舗そば屋は置かないとのこと。でもここではオーダーすればキチンと出てくるから、裏メニュー的なものだと考えればいいだろうか。ところが、たぬきときつねも冷やしだと壁に張り出される。お上品な事を言ってる場合でない、人気メニューということだな。

 

赤坂の砂場や浅草の藪に比べたらリーズナブルな価格帯なのだが、それでも大盛りにすると割高感があるため、普段はお得なセットものや腹が膨れる温かい汁物にすることが多い。ところが、月曜と雨の日は大盛りがサービスになるから、少なく感じる冷やしたぬきやこれも好物のつけトロロやストレートにもりなんかをオーダーする日になるのだ。夏の月曜日は写真の冷やしたぬき大が圧倒的に増える。今日のランチは誘惑に負けてしまったから、150円増しの大盛り1,000円を頼んでしまったからちょっとした散財になってしまった。

 

おっさんはそばだ。浜松町において、布屋更科は宝である。そしてこの店は、貿易センタービルの飲食街にもある。増上寺の参道にある店は琴の音が流れる江戸情緒ある店で、貿易センタービルはおばちゃんの笑い声が鳴り響く昭和なそば屋だ。ゴールデンウィーク真っ只中の日に行ったら「仕事だね、頑張ってね」と声をかけてくれた。周囲が昼間っから天ぷらでビールを呑んでいる所、仕事に頑張る僕をねぎらってくれる優しいおばちゃんたちだ。その日の気分で使い分けている。

 

昭和好きな男たちはきっと気に入るはずだ。月曜、もしくは雨の日は浜松町にいらっしゃーい!!

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