高橋尚子さんの金が平成ベストシーン。

いよいよ平成最後の1日を迎えた。長文にしちゃうから、お忙しい方はどうぞここで閉じちゃってください。いやいや、そんなつれないこと言わんと、お付き合いくださいな。

 

今日明日と、お祭り気分を満喫したい気持ちもあるものの、改元のこのタイミングで仕事が大盛り上がりになっているのが僕らしくていい。昨夜遅くに出張から戻って、今日は午後から編集会議があるのだからこのメモリアルな瞬間に清々しい気分にさえなる。書かなければならない原稿も山積みだしね(笑)。

 

そして今朝は出社の電車でこいつを眺めながら、改めていろんなことがあったのだなと楽しくさせられたり考えさせられたり。てなわけで(!?)、僕の平成のお宝をご紹介しよう。ジャーン。

 

 

シドニーオリンピック直前の号で、表紙と巻頭を尊敬する高橋尚子さんが飾っている。そして本文では、この年の代表3人でメダル独占がありえて、その筆頭にQちゃんがいることを堂々と書いている。さすがに、3人独占は書き過ぎ(瀬古さんのインタビューだから語り過ぎ)だったかもしれないが、Qちゃんは見事に期待に応えた。サングラスを投げるスパートするシーン、そして両手を上げてのゴールシーン、さらには小出監督を探して喜びを分かち合うシーンはいつ何度見ても号泣してしまう。平成のスポーツシーンで、僕にとってのベストはダントツでシドニーのQちゃんである。

 

彼女が優勝レースで発した「24時間は誰にも平等」という言葉は、僕にとってものすごく大きな言葉になった。この言葉を人様に堂々と言える人間になりたいと、Qちゃんがこの言葉を発したときに感動しながらそう誓った。いまだに言えるような生き方ができてないのは情けないが、ただ、踏ん張らなければならないここぞというときにこの言葉が鞭を打ってくれる。ありがたい。

 

そして、高橋尚子さんを金メダルへと導いた小出監督も平成を彩った1人だ。学ぶところは多く、彼からも僕は強い影響を受けた。平成を大いに盛り上げた男が、令和を待たずに逝ってしまったのは残念でならない。アテネオリンピックの選考から漏れ、監督の元を離れたQちゃんだったが、心はいつも、そしてこれからも永遠の師弟関係なのだろう。

 

我々世代にとって、平成とは仕事の時代である。そして、その現場はまるで地殻変動を起こしたかのごとく変化した。デジタル技術とインターネットによるもので、社会のスピードは早まったなんてもんじゃない。僕の仕事の現場だと、PC上で印刷の直前まで仕上げることができるようになった。これは出版や広告の世界における大革命だ。それ以前のたとえば広告作りは、写真や絵柄、ワープロで打った文字といった具材を拡大・縮小コピーを繰り返しながらカッターで切り、糊で台紙に貼り付けてデザインを固めてクライアントに見せる。デザインと文字をチェックしてもらった後、今度はその文字を実際に使うキレイな文字(写植)で打ち込んで、またまた台紙に張り込む作業となる。これは職人さん領域で我々は手出しできない。そこで再び誤字がないかをチェックしたら、その台紙にトレーシングペーパーをかぶせて、文字や背景の色を指定する。使う写真もこの時に添付して、今度はまた異なる職人さん領域の製版屋さんに託す。色を構成するのは赤・青・黄・黒で、製版屋さんはこの4色に分けたフィルムを作るのだ。写真を読み取って、この4つのフィルムに反映させる。出来上がったフィルムを元に試し刷りが出て、色をチェックしたらやっと印刷所領域になる。と、ここまでの作業が全てPCでできるようになっちまったのだからエライこっちゃ。

 

写真もデジタルカメラに変わった。それまではいうまでもなくフィルムで撮影して現像し、いいものを選んだら先の製版屋さんが分解するというアナログな2工程が存在したのだ。製版屋さんは写真の色を良く出すことをメインに、ちょっとした加工もお手のもので、シワを目立たなくしたりもしてくれる技術者だった。が、今や誰でもできてしまう技術になった。今考えたらとんでもない無駄があったといえばそれまでなんだが、そこには熟練の技術があったのに、その作業そのものがなくなってしまったのは当事者にはたまったもんじゃなかった。

 

このように、デジタル技術は様々な現場で効率化を図っているだろう。さらに、インターネットという発明によって人類はこれまでのどんな発明よりも大きな武器を手に入れた。これも仕事環境を激変させている。メリット・デメリットはどんな発明によってももたらされるのだが、ネットは人間の価値観やもっと深い領域までをも地殻変動させている。その基盤が完全に出来上がったのが平成という時代で、来たる令和は5G時代の到来も手伝ってまたもや変化に拍車がかかる。その時代を生き抜くことになった俺たちだ。

 

しっかりと生き抜くための武器を持ちたい。俺たちは50年以上生きた経験がある。そして心がある。これこそが戦い抜く武器であり、どのように社会に活かしていくのかを考えなければ、ただ時代に流されてしまうことになる。令和は俺たちの時代なんだと言い切る自分を目指し、心を込めて優しく生きていくことが僕が掲げるテーマだ。時代のスピードが上がろうが、価値観が変わろうが清らかなる心は永遠である。その努力のために24時間は平等なのだ。令和さん、よろしくねー!!

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