俺が殺した。

ロッド・スチュワートとロン・ウッドがルーズなロックを展開する、ヤツと僕がこよなく愛したライブアルバムだ

15年前になるが、全く癒えない傷がある。相棒の自殺だ。大切な者を自殺で失った経験がある方なら今日のタイトルをご理解いただけると思う。自ら命を絶つなんてそんな選択をさせない努力がきっとできたはずだと思えば思うほど、こう考えてしまうのだ。

 

一緒にバンドで汗を流した。バイトも同じところに通った。バイトを上がると酒を酌み交わして音楽の話ばかりしていた。一緒に夢だけを追いかけていたのだが、年齢的なことや家族のことを考えて昼間の会社に就職した時、ヤツはきっと裏切られた気持ちになっただろう。自分の全てをかけて音楽に生きようと何度も話していたくせに、髪を整えてスタジオにスーツで行くことになった。そんな僕にヤツは何も言わなかったが、深く傷つけたことには違いない。それまで、人生の選択を強いられてバンドから去るメンバーを悲しい気持ちで見送ってきた者同士だ。僕はバンドから抜けるのでなく就職した。これは、去っていったメンバーよりもタチの悪い選択だったかもしれない。

 

だがその後も約2年に渡り、バンドは活動を続けた。努力は続きいい線までいったのに、なんと信じられないことにヤツが、相棒がバンドを抜けたのだ。ヤツこそ音楽しかないという生き様だったから、これは信じられない事だった。相棒を失った僕にバンドを続ける力は残っておらず、中学時代からメンバーチェンジを繰り返しながも夢を追い続けてきたバンドが解散した。その後、ヤツと会い何度かバンド脱退の理由を聞いたがいつか話すと繰り返し、そのいつかは永遠にこないものになった。

 

やはり後悔しかない。もっと話していれば。もっとヤツの中へと入っていけば、自殺という選択はなかったのではないかと自分を責めてしまう。毎年、今日は重たい1日だ。

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