念願だった鉄道もの〜大編集後記。

俺たちと“鉄”は切っても切れない関係だ。夢とロマンと楽しみを乗せて走る昭和鉄道に、心だけはいつも乗り込んでいた。が、実際に電車へ乗り込んで出かける機会は極々少なく、やはりいつも心だけが乗っていた。新幹線への憧れは当然のことながら、寝台特急のなんともいえない哀愁やエル特急の顔にも心踊らされていたものだ。

 

今回念願の特集をスタートできたのは、企画をご提案いただけたからだ。ありがたいことに『昭和40年男』はその特異なコンセプトのおかげで、持ち込み企画が多い。今回もタメ年の通信社の記者さんよりの企画で、彼は中学時代から一人旅を続けて来た猛者なのだ。彼によるフィルム時代の写真をお借りしての1ページはガキの頃のワクワク感を思い起こさせてもらえる。フッ、また好きな連載ページが増えたぜ。

 

その第1回。満を持して登場したのは寝台特急の『さくら』だ。表紙上にも明記したほど僕はこの寝台特急に憧れた。いや、僕だけでなかろう。同世代諸氏ならば、憧れていない者はいないのではないか。東京から九州までひたすら走ってくれるのは、まるで『999』のような存在だ。結局『さくら』は憧れだけで、その他の寝台特急にも乗ることはなかった。結局、なんだかんだ言っても時間に勝る価値ってのはなかなかない。現役世代にとっては、時間を湯水のように使うことは、他のどんな贅沢よりも贅沢だということだ。

 

義父が、仕事を引退して北海道への船旅に出た。これ以上楽しみにしたことはかつてないほどの笑顔で、旅立ちの日へと向かってカウントダウンしていた。そういうことなのだ。俺たち世代の引退は人によってまちまちになるだろうが、どうやら僕にとってのその日はまだまだ遠いだろう。でもその日が来たら、のんびりと電車で旅をしたい。『青春18切符』で、気の向くままに途中下車してうまいものを食いながら酒を呑む。うーん、楽しみである。残念なのは『さくら』が走っていないことだな。

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