侍ジャイアンツ 〜大編集後記。

 

まだまだ続く大編集後記だぞー。昭和の1年を切り取って、出来事やモノ、コンテンツなどを深掘りする記事で構成する連載特集『夢、あふれていた俺たちの時代』は、昭和49年でお送りしている。多くの昭和40年男は小学3年生を迎えた年だ。僕はなぜか小2までおとなしくて目立たない子だった。それがこの年のクラス替えがきっかけになったのか、闊達な子に変身した。今に続くやかましい北村は、この年に誕生したといっていい。なんて、どうでもよいことだな(笑)。

 

今回はこの特集を巻末にもってきた。こうした大きな特集の位置は本の印象を大きく変えるから毎度の悩みぬくのだが、今号の全体構成から考えるとこの位置でよかったと思っている。そして、興味深い記事が並ぶ中でアンカーを任せたのが番場 蛮である。

 

当時、誰も彼が彼の魔球を真似ただろう。『巨人の星』に比べてカラッとしている感じがガキには心地よかった。梶原一騎作品の中でも他とは異なる存在に思えるのは、アクロバティックな魔球と番場 蛮のキャラクターがそう思わせたのだろう。加えてライバルたちのキャラクターもウルフや大砲など際立っている。そんな魅力的なキャラの中で僕が愛したのは八幡先輩だ。あんな先輩が身近にいたら、僕は魔球のような仕事をもっと生み出せるかもしれない。

 

さて、皆さんが感じていることかもしれない特色といっていいだろう、今号は野球ネタが多い。巻頭特集の『男はつらいよ』でもカズ山本さんが登場してくださった。先日、大編集後記でも紹介した村田兆治さんの涙もののインタビュー記事もある。そして『夢、あふれていた俺たちの時代』では、定岡正二さんに東海大相模との延長15回の試合を振り返ってもらっている。遊びの少なかった時代の俺たちは野球世代なんだなあ。

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