子供の頃から使ってました! なくてはならない常備薬の巻

薬好きというわけではないが、その昔、勤めていた会社が某製薬会社の二次問屋で、薬局向けの薬から、病院向けの処方薬などを取り扱っていたこともあって、なんとなくだが薬には縁があった。すでに時効なので、白状するが、「薬事法違反」というのも実は犯したこともある…。というとなんだか怪しいが、そう大げさなことではなく、病院に納品する際に「PTP包装されている錠剤を手作業でバラしていた」のだ。

 

薬局で処方される場合、たいていはひとつひとつ「プチっ」と出して飲むPTP包装がほとんどだが、院内処方などの場合は何種類かの薬をひとパックにして患者に渡す場合がある。飲み間違いなどの心配もなく、手間も省けるので、何種類もの薬を処方される人にはありがたいことである。そういった場合に「バラ包装」の錠剤が必要になるというわけだ。ある時、「○○○の1000錠バラ包装で」の注文を受けた際に、「○○○1000錠PTP包装」しか在庫がなかった…。医者は明日持ってこいなどと平気で言うものだから、薬問屋はとにかく「○○○1000錠のバラ」を納品しなくてはならないのだ。逆は無理だが、包装されているものをバラすことは物理的には可能だ。しかし、そこには薬事法というものがあって、薬剤師などの資格を持たないものが勝手に包装されているものをバラしてはいけないのだ(ということを後から聞かされた)。何も知らない私はせっせと「バラし作業」を手伝わされ、薬事法違反に加担してしまったというわけだ。35年以上も前の遠い昔の笑い話である。そんなわけで、結構薬には詳しかったのだが、医者から出される薬はともかく、日本は薬局などで比較的簡単にいろんな薬が手に入る国である。風邪薬などはとにかく種類も多く、漢方と名のつくものまであって、そのどれもが薬局や、最近では一部コンビニでも買うことができるようになっていて本当に便利だ。ただし市販薬はあくまで緊急時、限られた期間服用、使用するものと心得よう!先日の編集長のつぶやきにもあったように、自己判断で長期使い続けるのは「命取り」にもなりかねないのだ。普通市販薬には一定期間使用しても改善が認められない場合は医師の診察を受けるように注意書きに書かれている。ところがその手の注意にはわりと無頓着になりがちで、忙しくて病院に行く時間もないし…となれば、市販薬に頼ってしまうこともあるだろうが、頼りすぎは禁物だ。と、あらためて肝に銘じよう!

家庭に必ずあった常備薬「オロナイン軟膏」

その昔は「富山の置き薬」というのが多くの家庭に常備されていたと思う。特に地方では、今のようにそんなに手軽に市販薬を買うこともままならず、そのための「置き薬」というシステムが昭和の頃は一般家庭向けにもあったのだ。この箱を時々覗くのがなぜか好きだった(笑)開封しなければお金は払わなくていいのだが、中身を見てみたいのだ! 開けてしまえば、飲まずともお金は払わなければいけない…。遠い記憶の中に、「ケロリン」「赤玉」「トクホン」…「熊の胆」!なんてものもあって、これはもう、何に効くのかもよくわからないけど、とにかく気になって開けたい衝動に駆られたものだ。そして、その「置き薬」の中には、かのロングセラー!「オロナイン」も入っていたように思う。「すり傷、やけど、そして痔にも」なんてキャッチフレーズのCMも懐かしい!(ただし今は専用の痔の薬もあるため、痔は効能からは除外されているそうだ)。

Photo_江戸村のとくぞう

そんなオロナイン、1953年に発売され、1969年に「オロナインD軟膏」、1972年には「オロナインH軟膏」と変わり、その主剤成分も少しずつ変わっているが、見た目のパッケージのイメージはあまり変わっていない。大きなビンタイプは家に、小さいチューブタイプは持ち歩き用として、今も必ずポーチの中に入っている、超定番常備薬のひとつ。私の場合、よく指のささくれを無理にむいて血が出てしまうことが多く、そんな時は即塗布!それで、もう治った気になるから(実際効果もありますし)本当にありがたいのです。寒くなってくると、指先の痛いあかぎれなどにも大活躍しますし、なくてはならない常備薬のナンバーワンです。もしかしたら昭和40年男にも、意外と多いかもしれませんね「オロナイン」信者が!

ちょっと残念なのが、最近(でもないか?)チューブの素材が変わってしまったこと。確かに使いやすいのかもしれないけど、あのアルミ製のチューブがやはり懐かしい昭和37年女です。

今回はマイ常備薬第一弾としてオロナインをご紹介しましたが、あなたのおすすめ常備薬もぜひ教えて下さいね!

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6件のコメント

  1. Kikuchanさま
    たぶんメーカーさんにも、もうその当時のことを知っている人はいないと思うので永遠の謎ですね。誰か知っている人がいたら教えてくださ~い!(昭和37年女)

  2. 大村崑主演の「頓馬天狗」は大塚製薬の一社提供時代劇でした。
    主人公は危なくなると、ちょっと待って、と敵を制して、オロナミンCをプシュッと開けてゴクゴク、俄然強くなって敵をなぎ倒すのです。主題歌は少年少女合唱団「トントン頓馬の天狗さん、強くてとってもお人好し、握る刀は大上段、エイ! 悪人どもを薙ぎ払う(大村崑のソロとなって)性はオロナイン名は軟膏〜」と歌うのです。なぜオロナミンCを飲むと強くなるのに性がオロナイン名が軟膏となるのか? 両方とも大塚薬品だから、ついでに宣伝したのか? おそらく後者だったのでしょうね。

  3. ADAKENさま
    へぇ~!なお話しをありがとうございます♪

  4. もともとはコンちゃん(大村崑)を起用するつもりが、その話が発覚して変更になったと、ある本で大村さん本人が語っていました。

  5. ADAKENさま
    え~本当ですか?初めて知りました<(_ _)>その本名で起用されたってこと?
    ウンチ博士の「べんのよしみ」さんと同じくらいの衝撃です(笑)

  6. オロナイン軟膏のホーロー看板で知られる浪花千栄子さんの本名は「なんこうきくの」(実話)。

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