夏よ、行かないで!!

僕が住む多摩川周辺では、お盆前後からツクツクボウシが鳴き始める。まるで「秋がやってくるぞー」と言いたげに聞こえてきて、胸には少々の寂しさが宿る。ガキの頃の、特にハイティーンの頃の夏みたいにでっかい経験を目指して夏を迎えるものの、仕事に追われて過ぎ去ってしまう。夏生まれの僕にとって、一生に一度しかない54回目の夏はこのまま仕事まみれで終わっていきそうだ。だってね、締め切りが9月の頭なんだもの(笑)。

 

とはいえ、去年に比べればうーんとよかった。去年の夏、僕は初めて病気で寝込んだ。足から入ったばい菌が悪さをする蜂窩織炎とかいう病だった。そもそも、つばつけときゃ治る世代だからこそ招いた、油断以外の何ものでもない病気だったのだ。足の指の皮膚が剥けているのを見つけて、素人診断でついに僕もうわさの水虫持ちなんだと、少々落胆しつつ薬局で薬を買った。これを塗り続けていたのだがいっこうに良くならない。でも特にかゆみも痛みもなく、2か月近く薬を塗り続けていたが、症状がひどくなりいよいよ観念して病院に行った。すると先生、水虫じゃないという。そして教訓をいただいた。塗り薬でも飲み薬でも、一週間続けてダメだったら病院へ行けと。

 

水虫用でない塗り薬をもらったが、このタイミングがすでに遅かった。病魔はもう僕を蝕んでいたのである。この数日後に足がものすごく腫れた。単純な話でばい菌が入ってしまったのだ。痛いなんてもんじゃなく、歩けないし熱まで出た。あと一週間早く病院に行っていればこんな目に合わなかったと大きな後悔をした。8月の中頃は自宅で作業しながら一歩も外に出ず過ごした、人生で最もつまらない夏だった。

 

その夏を取り返そうと張り切った今年の夏。仕事絡みが多いものの、夏らしい経験がいくつかできている。そしてまだまだ夏は終わらない。せめて締め切り後のしばらくは、僕の夏は終わっていないと過ごしていくつもりだ。9日は久しぶりに北海道へ出向く。札幌でバイクイベントの仕事があり、夏の北海道を満喫してくるつもりだ。ってね、向こうはすでに寒いらしい(泣)。

 

札幌の読者さん、プチ秘密基地ができたら夏の想い出がひとつ増えるから、遊べそうな方はコチラから声をかけてください。待ってまーす!!

 

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