絶品カレーに揺れる男心!?

スタッフからうれしい話を聞いた。カレー好きの友人を僕がこのサイトで絶賛した店に連れて行ったところ、大喜びだったと。「辛いけどしっかりうまいですよね」とズバリの評価で、思わず僕は「ルーのおかわりした?」と聞くと、ちょっと照れながらも「しました」とのこと。というのも、この店はなんとルーのおかわりが無料なのである。でもね、昭和の俺たちにとって店のカレーってのは、ご飯に対して少ない量のルーを調節しながら食うのが常だった。それをお代わりするなんて、そんな贅沢があっていいのかと躊躇する。図々しく思えてしまい、これまでなんども通っていながら一度もできていない。だが、奥ゆかしいキャラの彼でさえそれができたのならば僕だっておかわりしていいじゃないかと自信を付け、ややご無沙汰で行ってきた。

 

昭和な汚い店で、夜はもつ焼き屋となる二毛作営業である。大盛りも並盛りも800円で、サラダ…、というかキャベツの千切りがつく。並でも結構なボリューム(写真)があり、永遠ダイエットに取り組む僕はよほどの覚悟の日以外は並で我慢するのだ。

 

いつも通りの絶品を前に「今日は絶対にルーのおかわりをしてやる」と飛ばした。なんかリッチである。幸せである。今年の2月にもこのサイトにこんなことを書いた。〜この店は頼むとルーを追加してくれる。が、なんとなくそれははしたない気がしてしまう昭和のおっさんである。バランスを考えながらルーの追加を頼まず上手に美味しく食べ終えるのが店への礼儀、いや、やせ我慢てもんだ〜と。そしてこの日は、そばをつゆにどっぷりつけられない江戸っ子のようなものだと締めた。

 

現在発売中の『dancyu』がカレー特集を展開している。キレンジャーな僕はもちろん即買いで、いつもながら編集部員たちのカレー愛と誌面構成のすばらしさに感動しつつ、もしかしたら浜松町のこの名店を知らないかもしれないと読み進めた。いやいや、そんなことはないかな。きっと知りつつ、雑で昭和な感じが誌面とミスマッチだから載せられないのかもしれない。な〜んてことを思わせるほどの絶品カレーだ。浜松町の交差点から増上寺へと向かっていくと、右側に僕が愛するそば屋『布屋更科』が見えてくる。そのちょっと先にポカラカリーライスの看板が見つかるはずだ。この路地を入っていけば左側に見つかる。

 

さて、食べ進めるうちにもじもじし始めた。スタートこそパラダイスを味わった僕だが、やっぱりそんな無粋なことはできねえやとなっていく。結局、この日もルーがお代わりできないおっさんだったのさ。先日の松屋事件といい、カレーを愛するがゆえに、カレーによって心が揺れ動くのだな(笑)。

 

 

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