鈴鹿8耐を昭和40年男目線で総括!!

鈴鹿より帰ってきた。去年に続き暑くない『鈴鹿8耐』だったが、じつにいろんなことを考えさせられる内容だった。

 

プライベートでも仲良くさせてもらっているレースジャーナリストの先輩と、昨日ここにも書いた1位〜3位までの予想をした。「せーの」で見せ合ったメモは、先輩はホンダが1位でカワサキが2位と僕の予想のトップ2チームが入れ替わっただけで、3位は双方ホンダで挑む『MuSASHi RT HARC-PRO』だった。大先輩とほぼシンクロした予想とは、僕もなかなか大したものだと思ったりしながら、今年の予想は相当確率が高いと自負していたのだが、終わってみれば2人ともひとつも当たらないというまさかの結果で、ロボコン0点である。僕はともかく、彼が0点なのはいかに耐久レースってのがおもしろいかの裏返しだ。ちなみにこの2人、去年も同じ遊びをして全滅で2年連続ロボコンコンビと名乗ろう。

 

ヤマハの4連覇がないという予想から入っているのが、まったくのシンクロである。そのくらい難しい事だし、事実、前日に日本の絶対的エースの中須賀選手が転倒した事などネガティブな空気があった。この空気感が僕らのネジを狂わせたのである。そして前提として、いくらなんでも『鈴鹿8耐』で4連覇はないという、ほぼ結論のように片付けて予想しているのは、この難しいレースの事を熟知している我々だからこそなのだ(ホントか!?)。

 

だが実際は完璧なレース運びで、ノーミスで8時間を終えたと言っていい。唯一のミスが前日の転倒ということになり、これを見事に断ち切ったチーム力に脱帽である。監督や企業をあげての努力により、体制づくりが優れているのだろう。だらしなかったのはホンダだ。きっと悔しいだろうが、ワークス1年目の2位は力では完全敗退の2位であり、カワサキにも劣っていた。ホンダのことだから下を向くことなどなく、きっと今日から来年に向けて燃えているだろうことを期待する。そして僕が断言したカワサキの優勝は大きなミスが2つ出て、実力だけで勝てないことの証明になってしまった。実際に、昨日のレース序盤では力は若干ながらヤマハを上回っていると言える内容だった。だがまさかのガス欠と、ペースカーが入っている中での転倒という、信じられないミスによって実力を発揮できなかった。この2つはライダーとチームの気持ちの乱れが生んだミスではなかろうか。もっとも、ライダーとチームの良好な信頼関係が、複数のライダーで戦う耐久レースにおいては何よりの実力なのだろう。その点で、ヤマハの『鈴鹿8耐』への体制作りは常に完璧を目指しているからこそ、実力と呼べるだけのレベルになる。自分に置き換えていろんなことへの反省や、新たな取り組みへと前進しようと思えたヤマハ・ファクトリー・レーシングの美しい勝利だった。

 

 

もう1つ、流れってのはすごい力を生むなと感動で涙したのが、スズキで走ったゼッケン95番『S-PULSE DREAM RACING・IAI』だ。チームには失礼ながら、まさかまさかの4位に入った。ここのエースライダーの渡辺一樹選手とは、もう長いこと仲良くさせてもらっている。今年はヨシムラで全日本を戦っているから、そこのシートで走れると期待していたが結果的には外された。そしてゲットしたシートは完全なるプライベーターだった。ノーマークだったが、予選で10位以内に入るガッツを見せ、さらに前日のトップ10チームによる最終予選では、ちょっと前なら奇跡的な2分6秒台を叩き出した。レース後の渡辺選手は「あれで完全に波に乗れて、ゴールまでその流れでいけた」と語った。うーむ、やはり流れを作る強さも極めて重要だ。今年の夏の甲子園大会予選で、チームワークや勢いでまさかの勝利なんてのが多くあると報道されているが、学生のことだろうと舐めてはイカン。プロ中のプロが命をかけた世界でもこんなことが起こるのである。

 

ヤマハのような完璧な強さもあり、こうした流れによって実力以上の結果を残すこともある。どちらも重要で、日頃は完璧とはいかないまでも上を目指し、いざって時に流れを作れる強さをまとう。これで完璧さと言い聞かせている。そしてヤマハにとって、中須賀選手が流れの部分も背負っていたがまさかの事態になり、でもやはり完璧な体制の作り込みは圧倒的な強さで他の追撃に屈しなかった。と、多くのことを学べた今年の『鈴鹿8耐』だった。『昭和40年男』をバイクチャンネルのようにしてしまったここ数日に、お付き合いいただきありがとうございました!!

 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

1件のコメント

  1. 現地観戦した昭和40年男なんで居酒屋のオッサントークさせてもらうと、鈴鹿はコースが長いからセーフティカー2台というのはしょうがないかもしれないけど、チームグリーンは後ろのグループに入れられちゃってすごい不利になったよねぇ、ああいうの何とかならないのかな。
    あとラブジアースでサインもらった津田選手・藤田選手・水野選手がみんなすっころんでしまって残念(津田選手は予選だけど)。
    基本HRC推しだったけど3人は個別に応援していたんだけどな(^^;
    新たなジンクスでラブジに出ると翌年の8耐ですっころpi—————————–

コメントは受け付けていません。