ラジオ体操と昭和40年男。

去年より自治会の役員を仰せつかって(順番だけど)ラジオ体操の係が2年目である。担当は朝6時15分までに会場に入り子供たちを待つ。首からぶら下げたカードにスタンプを押して、元気に「おはようございます」と声をかける。「おはよう」でよさそうなものだが、昨今はこうしたところにも平等があるらしい。昭和のおっさんには摩訶不思議なことばかりだが、郷に入ればなんとやらである。そしてほとんどの子供たちは挨拶を返さない。首をかしげながら虚しく「おはようございます」を繰り返すのだった。

 

さてラジオ体操。思い出すのはやはり小学生の頃の夏休みだ。朝早くに行くのは億劫だったが、今も変わらぬスタンプ収集は楽しかったし充実感があった。スタンプで埋め尽くすと何かをもらえたからなおさら鞭打って通ったものだ。大したものでなくとも、もらえるならば努力するのはまだまだ貧しかった時代ゆえだ。比べて、今来ている子供たちのモチベーションはなんだろう。豊かな時代にもらえる“何か”はさほどモチベーションにならないだろうから、挨拶はさておきいい子たちの集いなのかもしれない。

 

第1は完璧に覚えている。僕らは何度これをやったのだろうか。体育の授業開始時には、音なしでもラジオ体操で準備した。相当の回数をこなした俺たちだろう。体が覚えているというか、よどみなく次々と型が出てくるのだから大したものだ。が、第2はさっぱりだ。こっちに関しては夏休みしかやっていないからさっぱり覚えていない。頭から2発目のカッコ悪いのだけはよーく覚えていて、夏休みにやりながらみんなで笑いあったからだ。うんうん、カッコ悪かったもの。

 

昔と異なるのが、6時半はすでに汗がにじむほど暑いことだ。涼しいうちに運動をしてスッキリするはずが、ラジオ体操で汗びっしょりになる。家に戻ってテレビをつければすでに30度を超えてますなんて報道だ。小学生の頃、夏休みにプールを開放してくれたが、28度未満だと中止になった。悔しい思いをした日があったのはもう昔のことだ。なんていろんなことを思い出しながら過ごす朝のひと時は楽しい。朝の運動は頭がしゃっきりして、きっといいことづくめだろうから習慣にしたいところだが、まあズボラな僕にゃあ無理だろうな。

 

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