インベーダーの再来だったビリヤードブーム!?

酔っていたものでビリヤードの写真を撮ってない。そこで懐かしのこんな表紙でごまかすダメな俺です。ブームのイメージってことで(苦)

先日、出張先でクライアントと盛り上がり、バーへと2次会に繰り出した。若者が群がるダーツに対して、その何倍ものスペースを占拠しているビリヤードが空っぽじゃないか。1人のおっさんが言い出した。「やりますか」と。この日は若手も一緒にという会で、28歳2児の父親も一緒で彼の目も光った。僕だってまったくの素人ではない。すぐさまカウンターからグラスを持ち出してビリヤード台の近くに移動したのだった。

 

俺たちの若き日のことだ。映画『ハスラー2』の影響だと思われる、突如としてビリヤードブームが起こった。猫も杓子も状態で、繁華街のあちこちにプールバーなるおしゃれなバーができた。それだけじゃ腕を上げたい需要に追いつかず、台だけをズラーッと設置したビリヤード場も多くできた。ここで安価に修練を積み、プールバーで颯爽とプレイするなんて輩が多かった。僕はあまり金を自由にできなかったので上手な方ではなかったが、それでも玉が入った時の快感は知っている程度にプレイした。おそらく23歳くらいまでのブームだったと思われるが、その後キューを持つことはなかったのだからおよそ30年ぶりのビリヤードだった。

 

僕がプレイするのはもっぱらビリヤード場だった。アルコールも安くラインナップされていて、仲間と出掛けるのに十分なレジャーセンターだった。中にはビールの自販機だけなんてビリヤード場もあり、おしゃれでない僕を助けてくれた。当時は飲食店がどんどんきらびやかになっていった時代だ。居酒屋のイッキブームの水面下でおしゃれな人はそれをどんどん磨き、また磨きをかけてくれる店が多くあったのだ。そのひとつが紛れもなき当時のプールバーで、そこに踏み入ると照れっぱなしの僕だったのさ。

 

そして僕はこのブームの顛末を知っていた。やがてビリヤード場はあっという間になくなる。これより約10年前に100円玉を握りしめたあの日、インベーダーブームとあまりにも似ていた。タイトーの本物を茶店でプレイするのに対し、モノクロだったりシールで色をつけたマシンを50円でできるゲームセンターというのも同じ構図だ。そしてゲームセンターの多くがなくなり、誰もプレイしなくなってただのテーブルと化した台が茶店には長く放置されるのだった。最先端のスペースに仕上げたプールバーに、未練がましく台が置いてあったのとこれまた酷似していた。

 

今回、久しぶりに玉を突いて楽しかったこと。酒を飲みながらでもプレイできて、なんとなく粋人のように振舞えたのは意外だった。あの日、こっぱずかしかったプールバーをやっと楽しめたおっさんだった。

 

 

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