みゆき vs みゆき。

読者投票企画の恒例3番勝負は、現時点できんどーちゃんと犬井さんの対決で44票集めており、出題者としてはちょっとうれしい。しかも面白い接戦になっている。きんどーさん人気は置いといて、山田太郎 vs 谷口タカオの接戦と、響子さん vs みゆきちゃんの均衡具合はハラハラドキドキである。〆切まで見逃せない勝負だ。

話は先日の出張に遡る。クライアントとの楽しい宴は、木曜日ということもあり1軒で打ち上げた。僕も翌日の取材が気になり、2軒目に行くのをグッと我慢して、コンビニでいいちこの小さな瓶と氷を買って部屋で寝酒と洒落てみた。宿泊したホテルにはひとつだけうれしいサービスがあって、マンガの単行本がたくさん置いてある。その中に『みゆき』全巻を見つけてしまった。寝酒の肴はこれで決まり。でも夜更かししちゃうのは怖いから最終の3冊に我慢して部屋へと持ち込んだ。(ちなみに『めぞん一刻』も大好きであるが、ここには置いていなかった)

うーん、久しぶりに読んだけど泣けるねえ。あだち充ワールドは、それまで好んで読んでいたまんがとはあきらかに異なるベクトルを持っていたなあ、と当時を振りかえりながら読んだ。僕にとって、硬派ものとギャグもの一辺倒だったマンガの世界に、軟派ラブラブワールドを押し込んでくれたのはあだち先生が最初である。それというのも野球を巧みに使ってくれたのが大きい。僕は『陽当たり良好』『ナイン』『タッチ』『H2』そしてこの『みゆき』の5作を読破した。『みゆき』以外は全部野球マンガだもの。スポーツものとしてキチンと描かれている中に、ラブラブネタをうまくねじ込んであるから、軟派ラブラブワールドに順応できたのかもしれない。5作すべて連載中にリアルタイムで見たわけでなく、『ナイン』『タッチ』『陽当たり良好』の順に慣れていき、つまり野球ものを3発見た後にふれたから、ラブオンリー作品である『みゆき』もすんなりと受け入れられた。ヤニ臭くて隣の部屋の音がバシバシ聞こえる部屋で久しぶりに読んで、そんなマンガ遍歴を考えていたよ。ぼったくりホテルをちょっぴり許せたかな?

今回の対決では響子さんを持ち出したけど、2人のみゆきも甲乙つけ難いよね。前号の〆切間際に、この3番勝負の出題原稿を入れると、副編小笠原から「2人のみゆき対決じゃないんですか?」と言われた。「うっ、その手もあったな」という気持ちをグッと抑え「これが通好みの対決なんだよ」とかわしたのだった。さてさて、みゆき vs みゆきだったらどっちかねえ。と、その前に、まだ投票していない方はぜひ参加してくださいね。100万部の雑誌にしてはちょっと寂しい投票数だもの(笑)。

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