ブルボン ホワイトロリータ

誕生! 昭和40年 born in 1965

昭和40年に生まれた、いわばタメ年の商品やサービスを我々の思い出と共に紹介する連載記事である。今回は、上品な味わいのお菓子『ブルボン ホワイトロリータ』を紹介しよう。

駄菓子屋のお菓子とは違う上品さ、大人になるとわかる便利さ。

ホワイトロリータ
ブルボンは、個包装菓子が袋に詰められた袋ビスケットカテゴリの商品をいくつも発売したが、『ホワイトロリータ』はその先駆け(昭和40年発売当時の写真)。当時1袋150円だった

路地から少し入った所にある駄菓子屋でのひと休みが、学校帰りの定番コースだった。その店で食べるお菓子といえば、舌が真っ赤になるようなものであったり、コーラのようでいてコーラではないものであったり、思いきり甘いか塩辛いかなど、ザックリとした味のものばっかりだった。

そしてそれらは大体にして量り売りだったり、大きな箱にドサッとまとめて置かれていたりして、5円や10円玉などと引き換えに、大きさについて精査した後(実際にそんなに差はないのだが)で、一つを選び出すタイプのお菓子が多かった。

その一方で、ひと口サイズのお菓子であるのに、しっかりと個別に包装され、味わいも駄菓子屋で出会うようなインパクトがあり過ぎるものではなく、上品で繊細な感じで、口にすると思わずゆったりとした気分になってしまうものがあった。それが『ブルボン ホワイトロリータ』だ。

自分で買って食べるというよりも、家で口にするお菓子であったと思う。それも、どちらかといえば家族で食べるものではなく、母親が来客用に用意していて、先生の家庭訪問や、水道工事の職人さんが来たりする時、お茶請けとして準備していた。そして、お客さんが帰った後、手を付けずに余ったものを、母親の目を盗んでかすめ取るのである。

そんなスリルを超えて口にした時の味わいは、また格別だった。周りを包んでいるホワイトクリームはミルク味だが、程よい甘さで、噛めばサクッサクッと軽快な感覚だった。駄菓子屋のお菓子もクセになるが、たまに上品な味を口にすると、「また食べたい」と思わせてくれた。

ひねりを加える機器を開発して量産化

この『ホワイトロリータ』、見た目はシンプルだし、素人目にすぐに作れそうな気もしていたが、実際には製造方法に工夫を凝らしたものだった。中のクッキーは、連続的に生地をひねりながら成形していく。ブルボンによれば、それを実現する〝連続ひねり成型機〟も簡単にできたわけではなく、試行錯誤を繰り返した結果、ようやく開発できた代物だったという。

さらに、当時は珍しかった個包装も、包装機械メーカーと協力して、高速の“ひねり包装機”を開発し、商品の特徴にもなっている両端をくるっとひねった包装を実現した。

『ホワイトロリータ』が好評を得たことから、やがてブルボンでは同様の袋ビスケット商品を次々と発売する。71年には、レーズンが入りラム酒の香りのする『レーズンサンド』、74年には、クレープ風に層になった生地がおいしい『ルマンド』を発売。『ルマンド』は生産が追いつかないほどヒットし、問屋が工場までトラックを寄こして直接買い付けに来たという。

『ホワイトロリータ』をきっかけに誕生した71年発売の『レーズンサンド』
74年発売の『ルマンド』。さらにおしゃれなイメージで大人気に

そういえば、母親が用意するお茶請けにも何種類ものお菓子が置かれていて、レーズンサンドも確かにあった。このシリーズ商品に、おせんべいなどを加えれば、置いた時の見栄えがいいだけではなく、甘辛両方への対応もでき、それでいて安価に済んだわけだ。

一袋に個包装のお菓子がたくさん入っている便利さは、大人になるとよくわかる。来客時だけでなく、グループで集まる時のちょっとした差し入れにもちょうどいいのだ。筆者も、市民活動のグループに参加しているが、その定例会などへ持っていくお菓子に困ると、大体はこのシリーズを買う。手ごろな価格で、いくつもの味をそろえられるので最適なのだ。

さて、次の定例会には、この3種類を持っていくとするか。もちろん『ホワイトロリータ』は少し多めに。

取材協力:ブルボン

※【「昭和40年男」Vol.21(2013年9月発売号)掲載】

文:舘谷 徹/昭和40年7月、埼玉県生まれのライター・脚本家。広報誌やWeb記事、ドラマやアニメの脚本を執筆。プラネタリウムで活動する市民グループにも参加中

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