再会を喜ぶおっさん。

打ち合わせを終えて、さて飯でも食おうかといつも通りにそば屋を探す。すぐに見つかり入店すると、ありゃりゃなんだか知った雰囲気だぞ。

10年以上前になる。うちの会社は赤坂にあった。最も近いそば屋が、そばジャンキーの僕には当然ながらメインレストランだった。量が多くて安くて普通にうまい店で、そこでいただくメニューのナンバー1があさり丼セットだ。親子丼やカツ丼の主役があさりになった丼である。具にはあさりだけでなくネギがちりばめられていて、海苔をふりかけたご飯の上に乗せられる。店は桂庵と名乗っていて、銀座のここで改めて店名を見ると同名じゃないか!!

迷わずこのセット750円也をオーダーして待つことしばし、出てきたのはまさしくあの日のルックスだ。うひょーと箸を出す。でもここで焦ってはならず、まずは小さなたぬきそばからいただく。「そうだそうだ。ここはミツバが散らしてあった」と、懐かしい気分になり、10年以上のご無沙汰をググッと引き寄せる。「うん、普通にうまい」となんだかジーンとしてきた。小さなそばを瞬殺していよいよあさり丼へと箸を移す。「ああーっ、これだ」とさらに深くジーンとする。

海苔の香りと安っぽいあさりがたまらない。ネギも薬味にはなれない青い部分を使っていることも鮮やかにフラッシュバックした。そうそう、こうした部分を捨てないで工夫してメニューに反映させているのも好きだった要因だったなんて、記憶のすべてが鮮やかによみがえる。11年以上のご無沙汰の味に、この年の瀬に出会えたのは幸福感までも得て大満足のディナーになった。味の記憶とはすごいもので、締め切りに追われながらも奮闘する日々を思い起こさせた。って、味と一緒でなんにも変わっちゃないじゃないか。

 

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2件のコメント

  1. ♪時~が隔~て あな~た~は昔のままじゃない~ヽ(´・`)ノ
    って唄がありましたな(^^;
    素敵な再会です(^^)v

    • 素敵なんてそんな(笑)。でも偶然で片付けることができない気持ちにまでなりました。

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