夏をあきらめて。

8月夏よ、53回目の俺の夏よさらばじゃ。

さて今日は、多くの小中学生たちが涙を流しているに違いない。夏休みが終わってしまう悲しみの涙もさることながら、今日まで放っぽりっぱなしにした宿題の山に汗も流していることだろう。最近では代行がビジネスになっているというのだから恐れいる。親にすがることはあったものの、その親からさらに外注されるということなのだろうか。いやはや、なんちゅう世の中になったものだ。

親に手伝ってもらうことはあった。そんなヤツが外注をとやかく言えないかもしれんが、親に迷惑をかけた深い反省は残る。金で解決しちまう代行とはちょっと違うはずだと自分を正当化する。プリプリと怒りながら、夜食の握り飯を差し出すお袋にも申し訳ない気持ちを抱きつつ深い愛を感じたりした。一家4人が力を合わせて9月1日へと向かって突き進んだのはきっと団結に一役買ったはずだ。なんとかカタチにして夜中にみんな揃って布団に入るのも悪くない気分で、来年は絶対に手伝わないと言われながら眠りにつくのだった。

仕事の人生はちょくちょく8月31日がやってくる。どんなでっかい宿題からも逃げられないし、親父やお袋のような存在はいない。8月31日の喧騒は仕事人生のリハーサルだったのだ。加えて、あれだけ長い期間にわたりインプットの日々を過ごすのも、仕事人生がスタートすると隠居するまでの40年以上ない。それを意識なんてしていなかったが、でっかい想い出を量産できていたのはきっと本能が求めていたのだ。だからこそ、宿題ごときにしがみつく間を惜しんでインプットという遊びと冒険にまっしぐらだったのさ。そうだそうだ(笑)。

おっさんになった今だからこそ、インプットはダイレクトに未来へと繋がっていることをひしひしと感じる。まとまった時間を潤沢に作れない俺たち世代だけど、そんな言い訳はしないで夏に集中したいと毎年強く思う。今年も生涯で最もでっかい夏にしようと迎え、このブログでも自分に気合を入れつつ同世代諸氏に呼びかけてきた。が、明日から新学期を迎える今日に振り返る僕の夏は、残念ながらスケールの小さなものになってしまった。最も大きかった要因は寝込んでしまったこと。そして暑くなかったこと。他にも気持ちの盛り上がりを阻害する大きな出来事まであった。ともかく、人生初となる長期の病は将来振り返ればこれはこれで記憶に強く残る想い出だろう。それにいいことだってたくさんあったのだからよしとしなけりゃバチがあたる。

明日から新学期。2月が決算期のうちの会社は下半期のスタートだ。来月いっぱい夏の気分を引きずって寝込んだ分を取り戻そうとか思っていたが、もうきっぱり夏とは決別だ。ちょうど今日の東京は気温が低いし、このまま夏をあきめることにして桑田さんの名曲でも聴きながらストレートのウイスキーでも呑もうかな。シナロケの『ピンナップ・ベイビー・ブルース』もいいですなあ。いやいや、今日はそれどころじゃなかった。11日発売の作業が大詰めで、あの日のままに8月31日気分を味わう夜になるのだ。人生ってララだな。

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2件のコメント

  1. 今日はラジオから流れる研ナオコの『夏をあきらめて』が沁みたね(>_<)
    来月号も楽しみにしてますよ(^^ゞ

    • ありがとうございます。
      『夏をあきらめて』がハイティーンだった俺たちって幸せですな。桑田さんに感謝。

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