ドーナツ盤からよみがえった記憶。

IMG_4468昨日もバカ騒ぎで過ごした読者の集い『浅草秘密基地』で、参加者からうれしいプレゼントをもらった。以前、このブログでネタにしたのを読んでくださり、中古レコード店で見つけたからと渡されたのだ。この曲に秘められた僕の想い出は深いからこそ綴ったのだが、2012年のことだから今一度その想い出をざっくりと伝えさせていただく。

東京都のダウンタウン、荒川区の電気屋で育った僕は店の手伝いをよくする立派な青年だった。テレビや冷蔵庫の納品なんかはラクラクこなすが、ヘビーなのがクーラーの取り付け工事だった。これから取り付けるのだから当然ながらクーラーの効いていない部屋での作業を、親父と2人で汗びっしょりになりながらこなした。そんなある日、大きな家の個室に取り付けがあった。可愛らしいデコレーションが施された、どっから見ても女の子の部屋だ。そんな中にあって異彩を放っていたのがエレキギターとアンプで、僕はこの部屋の主に興味を持った。

バカな中学生(さっきまで立派な青年だったが…)はいろんな妄想をした。カワイイ、細い、ロッグヘア、大学生などなどと広がっていった。まるで江口寿史さんが描いたようなお姉様を想像して会いたくなったバカモノだ。そんな妄想のお姉様に恋をした僕の目に、ステレオの上に無造作に置かれた『マジック』のシングル盤が飛び込んできた。この日より以前に僕の洋楽ライフを支えた『ダイヤトーン・ポップス・ベストテン』にチャートインして物悲しいメロディが記憶に残っていたから、僕は彼女と繋がった気がしたのだ。ここでこのジャケットと出会わなければ、今も強く記憶している曲ではなかっただろう。なんてことを書いたのがもう5年近く前だ。

まさかこんなカタチであの日の僕と出会わせてくれるとは、さすが『浅草秘密基地』である。そして我ながらビックリ仰天した。ライナーノーツを読んだらかなり細かいところまで記憶しているじゃないか。そう、あの日僕はドーナツ盤のライナーノーツを、取り付けをちょっとさぼって読み込んだのだ。音楽の知識に対してどん欲でありながら、貧乏な中坊ゆえにそのソースに飢えていたからこうしたチャンスは逃さなかった。と、またひとつあの日の記憶がよみがえったうれしいプレゼントだ。ありがとう!!

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