いい顔の呑み屋を探せ!!

img_3986またもスゴい店を見つけてしまった。木曜日の夜のことだ。カズ中西さんの持つラジオ番組に出演させていただき、終了後に静岡県三島の宿にチェックインしたのは10時近かった。いくつかの仕事を片付けて街に繰り出すと、いい顔している店に出くわして迷わず入店した。いい顔呑み屋診断士を名乗ろうかと思うほど、ここ近年は顔で選んで大成功の確立が高い。酒と呑み屋をこよなく愛し、仕事柄出張が多いことで習得できたこれは技術と言っていい(笑)。

薄暗い店内だが清潔感とヤレ具合のバランスがよい。女将さんがカウンターの中にいて、客は少し年下だろう男性が1人いた。奴と刺し身、黒はんぺんをオーダーするとこの男性より「ここのおでんはおいしいですよ」と声をかけられた。もちろんそのつもりで、このファーストオーダー後にはおでんを満喫するつもりだった。「そうですか、ありがとうございます」と返し、たわいのない会話が続いた。いい店にはいい客がつくものだ。つづいて女性が1人で入って来た。いい呑みっぷりで61歳なんだと少し自慢するように言うのは、お若く見えるからかもしれず、この会話の流れで女将さんが67歳と知る。男性は混んで来た(!?)から帰ると言い、3人の客と女将さんは「おやすみなさい」と一期一会を仕上げた。

さてさて、合わせて128歳の女性にナンパされた僕はホストに徹する。これも旅先ではよくあることで、とくにスナックなんかに行くとかつての美女ママさんが、近所に住んでいる昭和時代の美女と盛り上がっている。そこに「旅の者ですけど」なんて入っていくと途端にいじられるのだ。でもこれはじつに楽しい。先日は富士山の話に始まり、ほうれん草と小松菜の値段の関連性にいき、三島の観光誘致と未来へと展開された。熱く語り合っているところに20代後半くらいのカップルが入って来たが、僕らを見てそそくさと店を出た。彼女はなんでという顔をしていたが、彼氏はこの雰囲気に馴染めないと察したのだろう。ふっ、若いぜ。そんなことじゃいい顔の呑み屋診断士にはなれないぜ。

日付が変わろうかという時間になると、61歳のかつての美女がつぶれた。女将さんは手慣れたもので、タクシーを呼び彼女の財布から千円抜き出し、その財布をハンドバックに詰めてしっかりと閉めた。タクシーに乗せると運転手に家の場所と千円を手渡したとのことで「最近弱いのよ」と笑っていた。ウーム、やはりいい店だ。大根、白滝、がんも、卵をいただき、最後にウインナー巻きをもらった。「小さい頃、ウインナー巻きは高いって、なかなか買ってくれなかったんですよ」なんて告白しながら頬張ったウインナー巻きは、小学生の頃にタイムスリップさせてくれた。

ここのところの疲れを吹っ飛ばしてくれるいい店だった。これだから呑み屋散策はやめられない。いつものセリフ「また来ます」と見送ってくれた女将さんに頭を下げた。三島の夜を終えたおっさんには元気がみなぎっていたよ。

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2件のコメント

  1. またひとつ、いい店、覚えたんですね、羨ましいです。
    (自分に)いい店と、紹介したい店は違うんだと思うんですが、
    今はまだ、自分にいい店は見つけきってない気がしています。

    紹介したい店はいくつかあるので
    今度、ゼヒ!?

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