アイデアをカタチにする努力。

チケットホルダー先日、出張時の特急列車で面白いものを見つけた。見てのとおりでチケットホルダーなる摩訶不思議な黄色い物体だ。どれどれと挟んでみるとしっくりと具合がよろしい。“取り忘れ、紛失等には十分ご注意ください。”との注意書きに思わず「そのとおり」と笑ってしまった。寝ているところを社内改札で起こされたことが不快だったとの声が寄せられたそうで、このアイデアで応えたことになる。なるほど眠る乗客も車掌さんも双方幸せになれる黄色いホルダーで、なかなかの企画と言っていいだろう。

なんてことを考えながらついつい思い出したのが『昭和40年男』を思いついた日のことだ。企画というまでのレベルでなかったが、ポッと湧いたアイデアに「これだっ」と我ながら震えた。絶対におもしろいと思いながらも悶々とした日々を過ごした。いいアイデアだけどそんな雑誌誰が買うんだろう? いやいや俺だったら絶対買うぜ!! との自問自答が続く日々を過ごし、なかなか作業に踏み切れなかった。妄想ばかりがふくらんで行き、やっとのことで決心して踏み込んだものの今度は挫折ばかりだった。昨今アチコチで見かけるようになったものの、今だってまだまだ試行錯誤は続き、今日も編集長とずいぶん長く議論したりと悩みは尽きない。

このホルダーに親近感を覚えたのは、このアイデアを実現するためにそれ相応の努力と情熱を持って戦った男がいたんじゃないかとの空想からだ。バカにされたかもしれない。笑われたかもしれない。でもこうして立派に実現して、あまり利用者はいないように思えたが少なくとも僕は挟んだ(笑)。そしてさらに、しまったままにして悶々としているいくつかの企画を、『昭和40年男』のようにスタートさせるべきじゃないかと奮い立った。たかがチケットホルダー、されどチケットホルダー。感謝である。

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2件のコメント

  1. やらないで後悔するか?

    やってみて後悔するか?

    私は後者でありたい。

    • おおっ、前向きコメントありがとうございます。
      やらないでのんびりする。というのもいいですな。老後にとっておきましょう(笑)。

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