昭和40年男のバランス感覚。

天丼もりなんとかかんとかダイエットに成功した。ライザップに頼らずとも目標達成できたのは、50歳という壁を意識してのことだった。その取り組みの中のひとつが、こうしたセットものの封印がある。が、人間とは弱いものだ。「もう今年最後にしよう」と心に誓いながらオーダーすることが増えてきた今日この頃である。

幸せに頬張りながら想う。子供の頃と比べていろんなものが安くなったものだと。このセットだって天丼には立派な海老が乗っているのに気軽に食べられる900円だ。もっとも、900円だって今のランチ事情を考えるとかなりの贅沢だ。

お寿司の価値も激変した。僕らの幼少期に登場した小僧寿司は衝撃だった。そして小僧どころか、その後回転し始めてスーパーにもあたり前に並ぶお気軽なごちそうに成り下がってくれた。その恩恵は大きいが、馴染み(ってそんなちょくちょく行けるわけじゃないが)の寿司屋の親父は、年に1度でいいから寿司屋を使って欲しいとぼやく。「本物を知ってくれれば安い理由がわかる」と。僕もコンビニの手巻きや土産寿司の世話にちょくちょくなるたびに、あたり前ながら親父さんの寿司とは違う食い物だとわかる。だからたまに奮発しては、その後数日はおとなしく節制するなんてのを繰り返す。そこでコンビニの納豆巻きを食っているんだから、なんだか本末転倒な気がしなくもない。

安さの秘訣は表示を見ると一目瞭然だ。なんだか訳のわからんものがこれでもかと印字されているのは怖くなる。だがこれがなければ安くは食えない。同じくよくお世話になるコンビニのそばなんかも凄まじく、表示を見ないようにしている。

きつねそば親父さんの店に添加物なんかもちろん置いてない。このセットを出すそば屋もきっとそうだろう。だが強いられてしまうのは、市場に合わせてギリギリに価格を下げて営業を続けていることだ。仕方のないことだが、せめて僕ら大人はバランスよくお店を使いたいものだ。

さてさて、なぜきつねそば? セットをやっちまった翌日は後悔しながらコイツやもりでやり過ごす。これも大切なバランスってやつで、人生を積み上げてきたおっさんの技ですな(苦笑)。

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