イケメンたちの店に戸惑う昭和40年男。

先日、接待を終えて少し呑み足りないかなと街をフラフラしていると、シンプルな店構えのショットバーを見つけた。23時過ぎの店内は熱気にあふれていて、コイツはずいぶんと繁昌店だなとその要因を探りながらチビチビと始めた。とくに安くもなく妥当な値段でメニューが構成されている。内装も際立つ部分が見あたるわけでなく、至ってシンプルにまとめ込んでいて、特筆するべき点は見あたらない。客層を見ると若い女性客が多くて、ここでやっと気が付いたのが店員が若いイケメンでかためられていることだ。マックス30席ほどの店に男性5人は、この業態では多い方だと思う。しかも全部が全部カッチョいい。

僕らの若い頃に比べると、線が細くてキレイな男の子が増えた。そもそも僕らの若い頃にイケメンなんて言葉は使われていなかった。それだけ少なかったのだろう(笑)。ブルワーカーを使って逞しくマッチョなのが女にモテルと思っていた時代だ。

もう1つ、先日入った小料理店も同じく店構えに誘われて1人でのれんをくぐると、店内は賑わっていた。カウンターが7席程度にテーブルが1つのいいサイズの店だ。料理はカウンター越しの板長がさばく、僕好みの形態である。おっさん好みの昔ながらの料理屋なのだが、大きく異なるのは板長が若いイケメンであることだ。パーマのかかった茶髪で歳は30歳前後だろうか。スタイルもよく典型的なイケメンで、その細い指で料理を盛りつける。カウンター席を埋めていたのは若い女性たちで「はーっ、なるほどね」と気が付き、そこに迷い込んでしまったおっさんはまるで朝のラッシュ時の女性専用車両に乗り込んでしまったかのよう。なんとも落ち着かず店を出たのだった。

IMG_2473さてここで、かつてのイケメンの登場である。『浅草秘密基地』の舞台となっている浅草のショットバー『FIGARO』のマスターだ。気さくな男の話術や人柄に魅かれて、多くの老若男女が訪れる。さすがに若い女の子ばかりとはいかないが、僕もオープン直後からずっとお世話になっている愛する人物である。どうだろう? 俺たち世代にとっちゃこんな男こそイケメンだと思うのだが…。やはり時代は変わったかな。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で