こんな外観に誘われる昭和40年男。

京都蕎麦屋先日仕事で京都を訪れた時のこと。ちょっとした空き時間に五条あたりを散策していると、こんなステキなそば屋を見つけた。昼飯を済ませた後だったから1度は通り過ぎたのだが、この店構えはただ者でないと振り返ったらスイッチオン状態になってしまった。「なーに、そばの一杯なら別腹よ」と入ると、店内は外観以上に昭和そのものである。そしておかみさんと思われるおばちゃんの客さばきが素晴らしく、それを眺めているだけでも価値がある。昼時からは外れていたものの、客でごった返していた。年齢層は高く地元客が多い様子だ。

僕はグルメに関する本やサイトを参考にするのがあまり好きでない。外したときの後悔が大きいからだ。店のツラで自分が判断して、それでダメだったとしても自分を責めるだけのこと。先日ご紹介した上野のそば屋兵庫の料理屋も、ツラに惚れて入店して大成功を収め、通うようになった店だ。人を見かけで判断しちゃいかんが、いい人柄がにじみ出ている方は多くいる。同じくいい店はツラに出る場合も多く、これを嗅ぎ分けて選んだ店は成功率は高い。

この店は茶そばを使っていてそれが自慢のようだ。僕はとくにそばとうどんを指定することなく「とりなんば」と注文した。これは失敗でうどんで出てきた。ここのとりなんばはうどんで供するメニューだったのだろう。江戸のそば屋でも、かき玉は指定しないとうどんで出す店が多い。きっとそんなことだろう。周囲がすすっている茶そばがうまそうに見えたが仕方ない。が、出汁をいただくと後悔は消え、熱い一杯を一気にかき込んだ。やさしくて深い味が素晴らしく、大満足で会計を済ませると、おばちゃんが「いってらっしゃい」と見送ってくれた。あまりの感動に写真を撮影することを忘れ、これは翌日の早朝にわざわざ撮りにいったものだ。

京都界隈にお出かけの際には、また地元の方でご存知でない同世代のみなさんはぜひ試してみてはいかがだろう。僕は次に京都に行ったら今度こそはそばをいただく。そんな楽しみが1つストックされているのだ。

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